「とにかくまず実際に使ってみることです。未知のことはつい、一から理解して“正解”を探したくなりますが、一足飛びにすべて使いこなそうとしないで、できることから少しずつ広げていく。大切なのは“交流を楽しむ”ことです。苦手なら、身近な人に助けを求めるのも効率的な近道です」
たとえば通常はZoomなどのアプリをパソコンやスマホにダウンロードすることから始めるが、どのアプリが簡単か、性能がよいかという比較よりも、身近でできる人や少し先にやり始めた人と同じものを選び、一緒に使いながら教えてもらうのがいい。
また、比較的多くの高齢者も使っているLINEなどのビデオ通話で、一対一の交流から始めればさらに気軽だ。「つながった!」「孫の顔が見られた!」と、一歩一歩のワクワクが先に立てば、どんどん前に進みたくなるだろう。
◆実はみんながビギナー 慣れたモン勝ち!
コロナ禍で多くの地域コミュニティーが休止を余儀なくされている。それでも交流を必要とする高齢者を支えるべく、オンラインを使ったカフェの開催を試みているコミュニティーを取材すると、いずれの運営者も参加者をミーティングに導くのに四苦八苦。実は運営者側も細かい仕組みまで熟知しているわけではなく、まさに試行錯誤の真っ最中。でも一方で背景画像を工夫したり、カメラ映りを気にしたり、バタバタも含めてみんなで楽しんでいるようでもあるのだ。
「オンラインでの交流が盛んになってきたいま、実はほとんどの人が手探り状態だといえます。高齢者、医療者、介護職もオンラインでは立場はフラット。コロナ禍が逆に追い風になり、みんながオンラインで会話するのが当たり前の時代もすぐそこだと思います。だから、どんどん参加して慣れたモン勝ち(笑い)。ぜひチャレンジしてみてください」
※女性セブン2020年6月4日号