作品の中でテイラーの若い頃の日記も映し出されます。書かれているのは「みんなに好かれる人になる」「良い人になる」という目標。それを忠実に守り努力を重ね、アメリカだけでなく世界中の若い人に影響を与えるディーバとなった今。
テイラーが口を開いた。なぜなのか。
セクハラの提訴をきっかけに、2018年の中間選挙でテネシー州共和党の女性候補が暴力を容認している等の理由から、民主党の候補を支持すると表明しました。カメラは彼女が政治的発言を開始する、まさにその瞬間を生々しく撮影。社会がどんな反応を返すのか、どんなハレーションが生まれるか、彼女自身がそれをどう受け止めるのか、克明に映し出していく。政治的な発言を始めたテイラーの存在は、「彼女の音楽が25%くらい嫌いになった」とトランプ大統領にコメントさせてしまうくらいの破壊力を持ちました。
一人のミュージシャンの変化が、ドキュメンタリー映像となり動画配信サイトを介してたちまち世界中へと伝播していく。家の中にまで届く。それが次にどんな変化を生み出すのか、どんな化学変化を起こすのかは、まだ誰にもわかりません。まさしく新たな体験でありアフター・コロナの「新しい生活」の一局面かもしれません。