芸能

「芸能人が政治にコメント」の流れ T・スウィフトが後押しか

政治的な発言が注目されたテイラー・スウィフト(AFP=時事)

 新型コロナウイルス感染拡大と相前後して、芸能界から政治的なコメントが多く発せられた。遠景に、米国発のあるドキュメンタリー作品の影響を指摘するのは作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏である。

 * * *
 ステイホームで映画館が閉まり、ドラマの撮影も止まって新作の放送は延期になり、DVDのレンタルも感染リスクを考えると躊躇してしまう……。そんな状況下で人々が選んだ選択肢の一つが、ネットの動画配信サービス。「今回のステイホームをきっかけに登録した」という人も多かったようで、Netflixは全世界で1500万人以上の新規加入者を得た(2020年3月末時点)そうです。

 知り合いの中には「悔しいけれど、軍門に下るしかないと契約した」という人も。これまで「映画は映画館で観る」が信条で、新しいものにすぐ飛びつくのは軽薄、と考えていたとか。しかし、そうした「保守」層の行動にもコロナ感染拡大は大きな影響を与えました。興味深い点は、かたくなに動画配信を拒絶していた人の態度がコロっと変わったこと。魅力にハマり、海外ドラマのシリーズを「一気見」して他の人にもオススメしている、という豹変ぶりです。

 さて、最近の動画配信サービスが優れているのは、既存作品の配信だけではありません。「オリジナルの作品制作」における高いクオリテイも注目。日本市場のトップに躍り出たNetflixは特に潤沢な予算をかけて作品を制作することでも知られています。日本国内でも『火花』や『全裸監督』といったオリジナルコンテンツを生み出し、他国でも配信されヒットを飛ばしています。

 一方、Amazonプライムビデオのオリジナル作品も、例えば最長寿のシリーズ『BOSCH/ボッシュ』は刑事ドラマの傑作と言える仕上がり。その他、複数のサービスが入り乱れ顧客争奪戦を繰り広げ、まさに動画配信戦国時代に突入の様相です。

 さて、ステイホーム期間中に最も気になった動画配信サービスの作品は、と問われたら? 日本の芸能人たちがもしかしたら家で鑑賞し多大な影響を受けたかもしれない? などと想像をかきたてられてしまうドキュメンタリー『ミス・アメリカーナ』(Netflix)でしょう。

「政治には関心を示さない」「直接的な発言はしない」。日本だけでなくアメリカにおいても、セールスを考えた場合、多くのミュージシャンやアーティストが選んできたノンポリのスタンス。ところが、「口に貼っていたテープを剥がす時がきた。ピンク色の服を着て、政治について語りたい」と発言し始めた人がいる。「世界の歌姫」テイラー・スウィフトです。

 テイラーは何といっても共和党の支持地盤として知られる南部テネシー州で育ち、しかもカントリー歌手としてデビュー。保守派支持者はカントリー・ミュージックを好む層と重なります。そんな「保守の固い岩盤」からスターの座に駆け上ってグラミー賞10回、アメリカン・ミュージック・アワードを29回受賞。しかもこれまで一貫して政治的発言をしてこなかったため、トランプ支持とささやかれていた。そのテイラーの変化の瞬間を捉えたドキュメンタリーとくれば、興味を惹かないわけがない。

関連記事

トピックス

海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
2才の誕生日を迎えた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
【9月6日で19才に】悠仁さま、40年ぶりの成年式へ 御料牧場、小学校の行事、初海外のブータン、伊勢新宮をご参拝、部活動…歩まれてきた19年を振り返る 
女性セブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン