李氏は財閥の御曹司ながら人柄の良さや経営手腕に一定の評価があるとされ、〈国民の6割が善処を期待〉(6月8日付、東亜日報電子版)しているというデータもある。だが、財閥一族の子弟に対する国民感情は総じて悪い。
「“ナッツリターン事件”で悪名を轟かせた大韓航空の趙顕娥・前副社長(韓進グループ創業者・趙重勲氏の孫)のほか、昨年は現代やSKグループの要職に就く“財閥三世”が薬物事件で摘発されるなど、相次ぐ不祥事に世間の目も厳しくなってきました。創業者一族が企業を所有、支配する構造は早晩、瓦解するのではないか」(前出・河氏)
三代続けば末代続く──というものの、「三代目」への世代交代が進む韓国財閥の運命は“風前の灯”のようだ。
※週刊ポスト2020年6月26日号