国際情報

サムスントップに逮捕状騒動 韓国“財閥崩壊”が始まった

巨大財閥の運命は(写真/AFP=時事)

 巨大財閥の行方を巡り、韓国社会が揺れている。今月4日、韓国検察がサムスングループの実質的トップ、李在鎔氏(サムスン電子副会長)に対する逮捕状を請求。経営権継承を狙う李氏が「粉飾会計や株価操作を行なった」とするもので、逮捕は確実視されていた。

 ところが、ソウル中央地裁はこの請求を棄却。李氏はすんでの所で逮捕・勾留を免れたのである。韓国紙記者が解説する。

「李氏は朴槿恵前大統領を退陣に追い込んだ2016年の“崔順実ゲート事件”でも収賄など5つの容疑で逮捕・起訴された。検察が一企業のトップをここまで執拗に追及するのは極めて異例のこと」

 李氏は2017年に実刑判決を受け拘置所に送られたが、2018年の二審で執行猶予に。現在も審理は継続中だ。ジャーナリスト・河鐘基氏が続ける。

「注目すべきは、李氏が“自分の代で世襲を終わらせる”と明言した直後に逮捕状請求が行なわれた点。財閥解体を掲げる文在寅政権は、サムスン側にプレッシャーを与える姿勢を見せたい一方で、財閥トップの身柄拘束が韓国経済にどのような影響を及ぼすかも考えたはず。逮捕状請求から棄却の流れは、文政権が絵を描いた“出来レース”のようにも見えます」

 前回、逮捕された事件の際にも現地メディアは〈李副会長の拘束可能性はサムスンとしては経営上最悪の不確実性〉(2019年8月28日付、朝鮮日報)などと報じたが、トップ逮捕は韓国のGDPの2割を占めるサムスングループの浮沈、そして韓国経済全体の先行きさえも左右するということだ。

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン