基本の熱中症対策
水分補給のためにと水をガブガブ飲むと、逆効果になることもあるという。
「脱水症は単なる水不足ではありません。体内の水分は水と電解質(塩分)でできているので、脱水状態に水だけを補給すると電解質不足がさらに進んで低ナトリウム血症に。この場合やっかいなのは、のどや口の中の乾きを感じにくいこと。本人も周囲も脱水を見落としがちなのです。
そして電解質不足でよく起こるのがせん妄。突然意味不明なことを叫んだり、幻聴・幻覚で錯乱したりと、かなりインパクトのある症状。
脳神経細胞の働きが阻害されて起こりますが、認知症と間違われたり介護者を混乱させたりします。高齢者の脱水・熱中症対策には“水と塩分”のセットで備えておく必要があります」
◆“コロナの夏”には脱水予防がマスト!
高齢者は常に脱水のリスクがあると心得ておきたいところ。脱水兆候のチェックポイントと対策を聞いた。
「いつもより元気がない、言葉数が少ない、落ち着きがない、傾眠傾向などは、家族などが気づきやすいポイント。微熱、便秘、排尿回数や量が少ない、脈が速い、血圧が低い、手足が冷たい、わきが乾いている、舌に亀裂や白い膜、乾きがある場合などは要注意。めまい、頭痛、足がつるなどのときは、救急車を呼ぶかどうかの瀬戸際という場合もあります」
脱水の兆候があった場合、すばやく解消できるのは経口補水液。水と塩分、吸収をよくする糖分が含まれている。