国内

「俺コロナ」と会社内で嘯いて左遷されたある40代男性の告白

飲食店も消毒液常備で新しい生活様式で営業中(イメージ、時事通信フォト)

飲食店も消毒液常備、新しい生活様式で営業中(イメージ、時事通信フォト)

 飲食店など人が集まる場所で自分が新型コロナウイルス感染者であるかのように名乗り、逮捕されたり厳重注意を受ける事件が全国で起きている。彼らはなぜ、感染者でもないのに、そう思われるような発言をするのか。ライターの森鷹久氏が「俺コロナ」発言をした埼玉県の40代男性に真意を聞いた。

 * * *
「冗談じゃないですよ……お客さんが不快に思い通報したのか警察から電話まで来る始末。地元ネタを扱うネット掲示板にも、うちの店からコロナが出たと嘘ばっかり書かれて…。常連でしたけど、正直、二度ときて欲しくはないですね」

 怒気をはらませつつ筆者の取材に答えたのは、千葉県内で居酒屋を営むMさん。日本全国で「新型コロナウイルスに感染した」と嘘を振りまき、逮捕されるという事例が相次いでいる。実際に感染していた男性が飲食店で「自称」し、その後死亡するという事件も起きただけに、まったく笑えないどころか、風評被害などの実害が出る恐れも高い。

「俺コロナ」で逮捕されたのは、なぜかそのほとんどが中高年男性。緊急事態宣言明けの6月上旬、Mさんの店で「俺コロナ」を炸裂させたのもやはり50代の会社員男性だったという。

「酔っ払って、事あるごとにコロナコロナと言って盛り上がっていました。この人、世間で話題になっている話をするとウケると思っているフシがあり、覚えた流行りのギャグを連呼して周囲を引かせる、みたいなことはよくあったんです。だからコロナもウケると思ったんでしょう……。店はカウンター式で、隣に女性客が来ると、俺がコロナだったらこの店は全滅だ、などと言って咳をしてみせる。最初は笑っていたのですが、あまりにしつこくて、止めるように言っても聞かない。他の客から注意されても、冗談に本気になってと罵詈雑言で返しケンカにもなり、噂が近隣に広まったんです」(森田さん)

 単なる目立ちたがりなのか、自己承認欲求が強すぎるのか、ただの大バカか…。取材を続けていくと、Mさんの店で騒いだのとは別の「俺コロナ」男が何人も浮かんできた。そして、会社内で「俺コロナ」を連発し、実質的な謹慎処分を受けることになってしまったという男性にたどり着いた。男性は、埼玉県内の中堅ゼネコン勤務・S氏(40代)。電話で直撃してみると、消え入るような声で反省の弁を語り始めた。

「コロナをネタにすると、周りの反応が良かったんですよね。仕事でもプライベートでもコロナ一色、コロナって言っておけば会話は繋がるし、相手の反応もある。コミュニケーションになると勘違いしてました……」(S氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
清武英利氏がノンフィクション作品『記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記』(文藝春秋刊)を上梓した
《出世や歳に負けるな。逃げずに書き続けよう》ノンフィクション作家・清武英利氏が語った「最後の独裁者を書いた理由」「僕は“鉱夫”でありたい」
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン