スポーツ

フルゲートで大混戦の宝塚記念 同厩舎複数頭出しは狙えるか

昨年の宝塚記念に出走したキセキ。右は管理する角居調教師

 今年の春のグランプリは多士済々フルゲートでの決戦となった。競馬ライターの東田和美氏が分析する。

 * * *
 異なる路線を歩んできた馬が一堂に会するのが宝塚記念本来の醍醐味。そんなことで同一厩舎による複数頭出しが多い。GⅠのわりにフルゲートになることが少なく、阪神内回りの2200mということで、多少まぎれもある。春競馬のクライマックスでオーナーの意向もあり、GⅠ路線を歩んでこなかったオープン馬でも「出られるのなら」と出走に踏み切るケースもあるようだ。わが出資馬も、かつて準オープンの分際で出走したことがあるぐらいだ。

 宝塚記念での同厩舎複数頭出しはこれまで27厩舎が40回。池江泰寿厩舎は2011年の5頭出しを含めて5回とダントツ。複数頭出しを2回以上経験しているのは、平成以降では橋田厩舎と橋口弘次郎厩舎が3回、藤沢和厩舎、音無厩舎、角居厩舎が2回ずつ。

 2頭出しとなると、担当馬の違う厩務員や助手同士がギクシャクして、厩舎内での人間関係が悪くなるのでは、と勘繰ってしまいそうだが、いまは多くの厩舎が「チーム」として機能している。GⅠに2頭出しするような厩舎は当該週の他のレースにも多くの出走馬が控えており、それぞれが勝利を目指しているので厩舎内の競争意識がマイナスに働くことはないのだろう。かつてGⅠ複数頭出しについてある調教師に聞いたところ「大変なのは取材への対応」というなんとも切実な答えが返ってきた。

 複数頭出しで宝塚記念を勝ったケースは平成以降で5回(カッコ内は別の出走馬の成績)。二ノ宮厩舎以外は、いずれも「複数頭出しの常連」である。

1998年 橋田厩舎  サイレンススズカ(ゴーイングスズカ4着)
2010年 二ノ宮厩舎 ナカヤマフェスタ(アクシオン15着)
2012年 池江厩舎  オルフェーヴル(マウントシャスタ5着、トゥザグローリー12着)
2015年 池江厩舎  ラブリーデイ(トーセンスターダム12着、オーシャンブルー14着)
2018年 音無厩舎  ミッキーロケット(ダンビュライト5着)

 今年も複数頭出しの経験がある角居厩舎が3頭、音無厩舎が2頭出走。とくに角居厩舎は、藤沢和厩舎に次ぐJRAGⅠ26勝だが、宝塚記念は数少ない未勝利GⅠ。これまでのべ13頭が出走しながら2着が3回。昨年もキセキが1番人気に推されながら、道中ではリスグラシューにマークされ、最後は突き放される悔しい結果だった。来年2月いっぱいでの引退を表明しているため、今年が最後のチャンスになる。

関連記事

トピックス

女優・遠野なぎこ(45)の自宅マンションで身元不明の遺体が見つかってから2週間が経とうとしている(Instagram/ブログより)
《遠野なぎこ宅で遺体発見》“特殊清掃のリアル”を専門家が明かす 自宅はエアコンがついておらず、昼間は40℃近くに…「熱中症で死亡した場合は大変です」
NEWSポストセブン
俳優やMCなど幅広い活躍をみせる松下奈緒
《相葉雅紀がトイレに入っていたら“ゴンゴンゴン”…》松下奈緒、共演者たちが明かした意外な素顔 MC、俳優として幅広い活躍ぶり、174cmの高身長も“強み”に
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン