国内

河井夫妻「買収」意のままに “不正菌”に感染した議員達

「現金配布リスト」には100人以上の名前があったという(写真/共同通信社)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、昨年の参院選広島選挙区を巡り発覚した、河井克行前法務大臣と妻の案里参議院議員の大規模な選挙法違反事件について。

 * * *
 首都圏を中心に新型コロナウイルスの感染者が再びじわじわと増えている中、広島では2019年の参院選で猛威をふるった別の”菌”による感染被害が深刻だ。その名も“不正菌”である。

 その感染力はなかなかのものらしい。行動経済学者のダン・アリエリーは、著書『ずる 嘘とごまかしの行動経済学』(早川書房)の第8章「感染症としての不正行為―不正菌に感染するしくみ」でそう書いている。今回広島で広がった不正菌は、選挙法違反である「買収」の形となって発生した。感染元である河井克行容疑者と案里容疑者によってお金がばらまかれ、異例の規模で拡大した。

 広島県議や市議など、地元議員や後援会関係者らが次々とこれに感染。陽性と判明した首長3人が辞意を表明するなど、広島では「辞任ドミノ」が続いている。といっても、彼らは被害者ではない。感染しているかどうか検査を受けなければ判断できないコロナと違い、この菌は事前に感染するかどうかを自分で選べる。

 そもそも選挙を行って議員になった人達だから、この菌が危険であることは熟知していたはず。感染すれば「アウト」だと分かっていながら、お金を受け取った。克行容疑者のパソコンで管理されていた現金配布リストには100人以上の名前があったという。ダンは著書で、「身近な人の不正を目撃することで不正菌は感染性が高くなる」と述べているが、これだけの人数だ。直接見ていなくても、噂話が聞こえてこないはずがない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン