ファミマ独自のバーコード決済「ファミペイ」をPRする澤田社長(右・2019年6月/時事通信フォト)

ファミマ独自のバーコード決済「ファミペイ」をPRする澤田社長(右・2019年6月/時事通信フォト)

 澤田氏は社長就任以来、大胆なオペレーション改革を断行してきたが、ここにきて「リストラ疲れ」(同)との指摘も聞こえてくる。ファミチキの広告宣伝で澤田社長自身がファミチキの袋に入って大暴れしたように、イベントなどでは異才を放つが、中・長期の経営戦略を立てることに長けているとは言い難い。成長戦略が見えてこないことが最大の問題点なのだ。

「コンビニは売り上げが1割減れば多くのオーナーの利益がゼロになる」(別の小売り担当アナリスト)といわれるほど競争が激しくなっている。コロナ禍、コンビニの経営者は海図なき海原(うなばら)に漕ぎ出している。だから、余計、羅針盤が必要になる。小売業では経営トップが羅針盤なのだ。

 タイミングの悪いことに、レジ袋が7月から有料になった。ふらっと立ち寄ることが多いコンビニでレジ袋にお金を払う顧客は少ない。片手で持てる1、2品目しか買わなくなる、といった予測もある。ナチュラルローソンは作家の文章を印刷した“読むレジ袋”を配布したところ、これを求めて長い行列ができた。話題作りでもローソンのほうが積極的だ。

 リストラによって本部の現場力が弱くなったといわれるファミマ。商品開発部門以外の責任者は基本的に伊藤忠出身者が占めているが、「総合商社の高給取りに、コンビニの日銭商売ができるとは思えない」と言った、商社業界を代表する名経営者がいたことを憶い出した。

「2万店体制」など夢のまた夢。セブン-イレブンを倒すどころか、商品開発力で勝るローソンにも抜かれ、「再び万年3位の座が待っている」(前出のコンビニ担当のアナリスト)との厳しい見立てもあるが、果たして。

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