先頃、最高裁は、放課後に小学生が校庭で練習していたサッカーボールが道に飛び出して事故を起した事例で、普通は危険を伴わない行為で偶然事故が起きた場合には、特に具体的に危険が予見できた場合でなければ、通常のしつけをしていた親は免責されると判断しました。

 しかし、他人の畑に立ち入ることは財産に損害を与える可能性の大きい行為ですから免責されることはないでしょう。

 子供が小学校高学年以上で、畑を荒らすと賠償義務など法的責任が生じるということくらいわかっていれば、責任能力があると言えます。そのような場合でも、自分の子供がボール遊びをしていて、近くの畑に立ち入っているのを知っていながら、作物を傷めないように必要な監督をしなかった親は、監督義務の不履行として子供とともに損害賠償責任を負担します。

 あなたは、日頃から注意していたとのことです。子供が特定できれば、親に弁償を求めて交渉することをおすすめします。

【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

※女性セブン2020年7月16日号

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