ライフ

【法律相談】店主が「店を譲る」 店は従業員に?遺族に?

「店を譲る」という一言が…

 職人気質の気難しい店主が、長年勤めた従業員に「ゆくゆくはお前に店を譲る」──ドラマなら涙モノのシーンだが、実際にそのような場面が訪れた場合、従業員と遺族との間には複雑な問題が持ち上がる。果たしてどちらの権利が有効か? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 3年前、中華料理店で働くことになり、昨年には店主から「この店を譲る」との一文をいただきました。その店主が他界、私は受け継ぐ覚悟でしたが、長男が店の土地を売ると言い出し、書面を見せても、自分の権利が優先されると譲りません。この場合、法的に長男の主張が尊重されてしまうのでしょうか。

【回答】
 この「店を譲る」の意味が問題です。店は建物の意味もありますが、建物所有権だけを譲るという趣旨でないことは明白です。しかし、譲るのが店の土地建物の所有権を含めた飲食店の事業全体か、それとも中華料理店の経営だけか、その点が曖昧で、よくわかりません。

 無償で「譲る」のは贈与契約ですから、当事者間の意思の合致が必要ですが、文書で確定できない場合、あなたと店主の間の話し合い、店や敷地の価値、あなたの貢献度や店主自身の経営継続の意欲なども検討しなくてはなりません。

 店の土地建物が高額の場合、3年間働いた人に、その所有権まで譲るのは異例だと思います。また、什器備品を含む中華料理店の事業だけの贈与の場合、店の利用の条件について、どんな協議があったのかも問題です。

関連キーワード

関連記事

トピックス

永野芽郁のCMについに“降板ドミノ”
《永野芽郁はゲッソリ》ついに始まった“CM降板ドミノ” ラジオ収録はスタッフが“厳戒態勢”も、懸念される「本人の憔悴」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(Instagramより)
〈シ◯ブ中なわけねいだろwww〉レースクイーンにグラビア…レーサム元会長と覚醒剤で逮捕された美女共犯者・奥本美穂容疑者(32)の“輝かしい経歴”と“スピリチュアルなSNS”
NEWSポストセブン
スタッフの対応に批判が殺到する事態に(Xより)
《“シュシュ女”ネット上の誹謗中傷は名誉毀損に》K-POPフェスで韓流ファンの怒りをかった女性スタッフに同情の声…運営会社は「勤務態度に不適切な点があった」
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(時事通信社/読者提供)
《動機は教育虐待》「3階建ての立派な豪邸にアパート経営も…」戸田佳孝容疑者(43)の“裕福な家庭環境”【東大前駅・無差別切りつけ】
NEWSポストセブン
未成年の少女を誘拐したうえ、わいせつな行為に及んだとして、無職・高橋光夢容疑者(22)らが逮捕(知人提供/時事通信フォト)
《10代前半少女に不同意わいせつ》「薬漬けで吐血して…」「女装してパキッてた」“トー横のパンダ”高橋光夢容疑者(22)の“危ない素顔”
NEWSポストセブン
露出を増やしつつある沢尻エリカ(時事通信フォト)
《過激な作品において魅力的な存在》沢尻エリカ、“半裸写真”公開で見えた映像作品復帰への道筋
週刊ポスト
“激太り”していた水原一平被告(AFLO/backgrid)
《またしても出頭延期》水原一平被告、気になる“妻の居場所”  昨年8月には“まさかのツーショット”も…「子どもを持ち、小さな式を挙げたい」吐露していた思い
NEWSポストセブン
憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン