経路不明、無症状、陽性率の急増が意味するのは市中の感染者の増加にほかならない。
現状でも、夜の街と同じように無症状者や軽症者を次々に検査していけば、「特定のスポット」を中心に、多数の感染者が出現すると予想される。
その「特定のスポット」こそ、小池都知事が夜の街を悪者にし続けることで隠しておきたいことなのだ。
◆会食帰りの父親より学校帰りの子供が怖い
無症状でウイルスをまき散らす感染者はどこにいるのか。注意すべきは「学校」だ。だが、児童・生徒が感染の中心ではないことが重要な点だ。
すでに全国の学校現場では、感染者やクラスターが多数発生している。7月上旬だけで、東京都江東区の小学校の教師4人が感染し、兵庫県神戸市の中学校で教師1人が感染した。
「特筆すべきは、小中高校では児童・生徒の感染が比較的少ないことです。一方で、教員など学校関係者の大人の感染者が多い。ほかの業種に比べても、明らかに目立ちます。
これが意味するのは、ウイルスは児童・生徒間で蔓延しているものの、子供の体内では一定以上はウイルスが増えないため、感染が確認されないし発症もしにくい。しかし大人にはうつすということなんです」(医療ジャーナリスト)
教室内での子供たちの行動は、感染への注意力が低かったりする点で、夜の街のホストクラブよりも感染が懸念される状況だ。それは季節性のインフルエンザが、教室内で短期間に爆発的に感染拡大することからも明らかである。
しかし、よく知られている通り、子供たちは新型コロナに感染しにくく発症しにくい。ただ、“ウイルスを保有する子供”を媒介として、その周辺の大人にじわじわと広がっていく──。
「本当に怖いのは、感染した無症状の子供がウイルスを自宅に持ち帰り、両親や祖父母などに家庭内感染させることです。夜の街で会食をした父親よりも、実は学校で友達と濃厚接触してきた子供の方が危ないのかもしれない」(前出・医療ジャーナリスト)