「介護施設」にも大きな危険が潜む。最近では、東京・荒川の介護施設「ひぐらしの里」での入居者と職員の感染者は19人となった。徳島県では20代の介護士が陽性となったが、その感染源はわかっておらず集団感染につながる恐れがある。血液内科医の中村幸嗣さんが指摘する。
「そもそも介護施設では、日常的に職員が入居者を抱き上げるなどの介護が必須で、1人でも感染者が出たら多くの人に連鎖しやすい。しかも高齢で基礎疾患がある人は、感染すると重症化するリスクが高く、非常に危険です。社会活動の再開とともに入居者の家族などのお見舞い制限を解除すれば、無症状の感染者の訪問で介護施設が死のクラスターになる可能性があります」
「外食」も安心できない。前述の通り、ホストクラブで感染者が急増したのは無症状の集団が検査を受けたから。会話を伴う飲食の場であることは変わらないので、ほかの外食産業でも無症状の人や軽症者が検査をすれば、同様に感染者が大量発生するはずだ。
この先、さらにリスクが高まるのが海外からの流入だ。
日本はタイ、オーストラリアなどとの渡航制限を段階的に緩和する予定だ。またEUが渡航禁止措置の対象から日本を解除したため、観光に行った日本人が帰国する際、ウイルスを持ち込む可能性が少なからずある。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんはこう話す。
「欧米で流行したウイルスは、毒性や伝染力が高いとの研究結果があります。今後、海外からの訪問者らを介して日本に欧米型が入ってきたら、より危険が増します。実際、中国・北京ではすでに欧米型が流入しています」
小池都知事は直視しないが、再流行は始まっているのだ。
※女性セブン2020年7月23日号