陽性率をどうみるべきか
また、公表される陽性率をどうみるべきかという問題も議論されてきた。たとえば、陽性率が上昇した場合、次のようなとらえ方が出てくる。
●検査数が少な過ぎるから陽性率が高いのでは? というネガティブな反応。
●濃厚接触者など、感染疑いの強い人たちに集中して検査を行なっているのだから、陽性率が高いのは当たり前だという冷めた見方。
●感染の疑いのある人をうまく抜き出して、効率的に検査ができていると評価する意見。
●潜在的な感染者(検査をすれば陽性となる人)が水面下にたくさんいるのでは? という恐怖感。
●検査の正確性は100%ではないため、やみくもに検査をすれば、偽陽性(本当は感染していないのに陽性となる)や、偽陰性(本当は感染しているのに陰性となる)の人がたくさん出てくる。その結果、偽陽性の人が療養するための施設が不足する、偽陰性の人が人混みに入って感染を広げるなど、感染防止のコントロールが効かなくなってしまうという、やや行政目線の指摘。
これらのとらえ方の、どれが正しい、どれが誤っていると一概に言い切ることは難しいが、世界保健機関(WHO)は、3月30日に新型コロナに関するバーチャル記者会見を行い、検査の陽性率について見解を示している。