ビジネス

ホンダが売れ続けるN-BOXに喜んでばかりはいられない理由

高速直進性に優れた走り

 700kmドライブ中では、新型「フィット」の試乗も行った。フィットはインサイトより乗り心地の滑らかさでは上を行っていたが、そのフィットですらN-BOXをベンチマークに評価したくらいだ。

 N-BOXの装着タイヤは155/65R14サイズのダンロップ「エナセーブ EC300」。エコカーに広く採用されている省燃費タイヤで、転がり抵抗は小さいが、クッション性やロードノイズカットは凡庸で、ざらざら感が強めに出やすい。軽自動車とエナセーブの組み合わせでこんなに滑らかな乗り心地に仕立てることができるのかというのも驚きのポイントだった。背粛清も非常に高く、軽自動車とは思えない水準だった。

 走りの点では高速直進性の良さが印象に残った。特筆すべきは片輪が路面のうねりやワダチを踏んだ時の動きの落ち着き。横揺れで車体の片側が沈み込んだとき、左右に進路を変える力がクルマに働くのだが、その影響が非常に小さい。大きく揺れたときもステアリングの修正なしで、その揺れが収まると狙い通りの進路を直進しているという感じだ。

 クルーズ感と並んで印象的だったのは、パワートレインの性能の高さだ。排気量0.66リットルエンジンのカタログ値は、最高出力58ps、最大トルク6.6kgと、絶対値としてはささやかなものだが、他社の自然吸気モデルと比べるとパワー、トルクとも1割ほど高い。

 といっても、所詮は軽の自然吸気。実際にはそれほど大きな違いは……と思っていたのだが、乗ってみるとその予想は外れた。特に低回転側の力感に優れており、同じような重量のライバルに比べてはるかに低い回転数で粘りながら加速していくのだ。

 ドライブ中のエンジンの平均回転数が低いのは、トルク変動によるぎくしゃくの抑制に効果大で、滑らかなドライブフィールの演出に間違いなく貢献していたし、静粛性向上にもつながっていた。実測燃費もドライブ通算で22.65km/リットルと、十分に良好だった。

燃費も良好なホンダN-BOX

燃費も良好なホンダN-BOX

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
結婚を発表したPerfumeの“あ~ちゃん”こと西脇綾香(時事通信フォト)
「夫婦別姓を日本でも取り入れて」 Perfume・あ〜ちゃん、ポーター創業の“吉田家”入りでファンが思い返した過去発言
NEWSポストセブン
(写真右/Getty Images、左・撮影/横田紋子)
高市早苗首相が異例の“買春行為の罰則化の検討”に言及 世界では“買う側”に罰則を科すのが先進国のスタンダード 日本の法律が抱える構造的な矛盾 
女性セブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン