芸能

期待されていなかった「たのきんトリオ」が人気になった理由

当時の渋谷公会堂とNHKホールの近くにある代々木公園では、「親衛隊」と呼ばれるたのきんファンたちが、コールの練習をしていた(イラスト/なとみみわ)

「わりとSMAPがアイドルのバラエティーの走りみたいだと言われてるけどな」(明石家さんま・65才)

「いやいや俺たち(たのきんトリオ)、結構やってたんだけどな~。ぼくに至っては、『カックラキン大放送!!』(日本テレビ系のバラエティー番組)をやってましたからね」(近藤真彦)

 当時、ジャニーズ事務所に所属していた田原俊彦(た/トシちゃん)、野村義男(の/ヨッちゃん)、近藤真彦(きん/マッチ)の3人によるアイドルユニットが『たのきんトリオ』。ドラマ『3年B組金八先生』(TBS系、1979年)の第1シリーズ出演後にブレーク。命名は、ジャニーズ事務所社長だった故ジャニー喜多川さん。1枚のシングルも出さないまま、1983年8月、大阪球場で解散コンサートを行った――。

 これは、6月19日に放送されたスペシャル番組『さんまのまんま35周年SP』(カンテレ・フジテレビ系)にゲスト出演した近藤真彦が、明石家さんまと当時を振り返って語った言葉だ。

 いまでこそ、アイドルがバラエティー番組で活躍するのは当たり前だが、その基盤を築いたのが、『たのきんトリオ』だったということだ。

 1980年、人気絶頂の頃の彼らについて、放送作家・山田美保子さんは、次のように振り返る。

「三人三様の個性の持ち主だったので、ファンには選ぶ楽しみがありました。キラキラ王子様のトシちゃん、やんちゃなマッチ、お人よしで三枚目のヨッちゃんという具合に、明確に立ち位置が分かれていたので、“見れば誰のファンかがわかる”と、彼らのマネジャーが言うくらいファンも個性が際立っていました」

 そんな彼らが注目を集めた1980年代初めは、「アイドルの過渡期だった」と、当時をよく知るライターで『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)著者で松木安太郎研究家でもある岡野誠さんは語る。

「特にジャニーズ事務所は長い低迷期に突入していたんです。1960~1970年代にかけてのジャニーズは、フォーリーブスで男性アイドルのノウハウを構築し、郷ひろみ(64才)で大ブレークを果たしたものの、1975年には突然、郷がほかのプロダクションに移籍し、1978年にはフォーリーブスも解散してしまいました」(岡野さん・以下同)

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