芸能

『わたナギ』人気が証明する世間の「かわいいオジサン」需要

番組公式サイトより

 ドラマがヒットする際にはキャスティングや原作の人気などの他にも“要因”があるものだ。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘した。

 * * *
 『私の家政夫ナギサさん』(TBS系火曜午後10時)が絶好調です。視聴率は二桁が続き、しかも第514.4%と右肩上がり。ここまで人気が出るとは、制作サイドでさえ想定外だったのでは。

 物語の主人公は製薬会社で働く独身キャリアの相原メイ。多部未華子さんの安定した演技が全体をひっぱっているのですが、もう一つ強力な駆動源があります。それがスーパー家政夫・鴨野ナギサを演じる大森南朋さん。「おじさんにキュンとくる」「あのエプロンおじさんに家事を頼みたい」と大評判をとっています。

 大森さんといえば……二枚目テイストとはちょいと違う個性的な風貌。揃えた前髪にタレ目、丸鼻、笑いじわ。齢は50に手が届きそうな、まさしくオジサン。そんな家政夫・ナギサを演じる大森さんが、今や女性視聴者を中心に好感度バツグンです。

 エプロン姿がよく似合い、常にニコニコして柔らかな雰囲気がウケている大森さんですが、しかし当初はコワモテのイメージでした。父はアングラの巨星で暗黒舞踏の第一人者・麿赤兒、クセのある遺伝子を持つ。そもそも最初に大森さんがテレビでブレイクしたきっかけは2007年放送の経済ドラマ『ハゲタカ』(NHK)でした。あの時に演じた外資ファンド代表・鷲津は、冷徹で眼光鋭くまさしくハゲタカそのもので、女性たちがワイワイ言うようなキャラではありませんでした。

 個人的な体験としては20年近く前、映画『殺し屋1』(2001年三池崇史監督)で、映画初主演の大森さんを見ました。仕事の関連でさほど予備知識もなく見に行ったのですが、R-18指定の内容は過激で残虐性が強くひたすら怖くて、不気味な世界におののいたことを憶えています。(ちなみに暴力描写によるR18指定はこの作品が日本初とか)。その時の大森さんの個性的な雰囲気は、記憶に刻まれました。

 まさかあの大森さんが、今では「カワイイおじさん」としてキャスティングされ「おじキュン」の象徴的存在となっているなんて。世の中の変化は面白いもの。おそらく今回のキャスティングの兆しは、ヨーグルトR-1CMあたりにあったのでしょう。

 いや、もしかしたら大森さんだけではないのかもしれない。

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト