それもそのはず、『1番・亀井』になると、後続を打つ2番・坂本、3番・丸の成績が格段に良くなっているのだ。亀井が1番スタメンの日、13試合で2番を務めている坂本は48打数15安打6打点3本塁打で3割1分3厘、14試合で3番を任されている丸は48打数14安打9打点2本塁打で2割9分2厘と前年並みの成績を上げている。
今年の通算成績からこの数字を差し引くと、坂本は98打数18安打9打点4本塁打で1割8分3厘、丸は104打数20安打19打点6本塁打で1割9分2厘と絶不調になる。
「亀井は状況に応じてバッティングスタイルを変えられる。チャンスの時は好球必打ですが、ボールをよく見極め、際どい球はファールでカットして四球も取れる。先頭が早打ちをしてしまうと、2番は投手のその日の調子を掴めないまま打席に向かわなければならないし、初球から打ちづらい。このような条件は、不調の打者をさらに不利にさせる。
また1番・亀井は打率も高いですから、2人はランナーを置いた状態で打席に入るケースが増える。不調の時はランナーを進めるための右打ちなど制約のある方が打ちやすくなる。同じアウトでも進塁打では気持ちが全然違いますし、バントでチームに貢献することもできる。しかし、1番が出ないと、フリーの状態で打たなければならない。それで凡退が続くと、自信を失ってくる。ここ最近、亀井がスタメンで使えないことと、坂本や丸の連続ノーヒット、巨人の得点力低下は大いに関係があると思います」
38歳のベテランの存在は頼もしい。一方で、現状のままでは不安だろう。ただでさえ過密日程の今季、梅雨が長引いたため、終盤はさらに連戦続きになる。亀井がどこまでスタメンを張れるのかは未知数だ。巨人が連覇するためには、亀井に代わる1番打者の育成が急務になってくる。