野性味あふれるコンセプトカー
残念ながらいにしえの「ランサーエボリューション」、「スタリオンGTO」、あるいは「コルトラリーアート」といった乗用車系は中期経営計画には盛り込まれていない。が、楽しみなクルマは他にもある。2023年以降の新型車予告のシルエットを見ると、次期パジェロスポーツと並んで2台、SUVが示唆されているのだ。
そのうちのひとつは2019年東京モーターショーに展示されたコンセプトカー「エンゲルベルク・ツアラー」との関連性を強く意識させるもの。
エンゲルベルク・ツアラーはクロスオーバーSUVということで、フレームボディを持つクロスカントリー4×4ではないが、「エクリプスクロス」のような都市型SUVとは一味違う、三菱自動車本来の野性味あふれるスタイリングを持っているため、もしかしたら日本ではこちらのほうがウケるかもしれない。
そして最期に消えたパジェロ。これについては今後、新興国でもCO2規制が厳しくなっていくことを思うと、エンジン車のクロスカントリー4×4として復活することはまずないであろう。三菱自動車がBEV(電気自動車)やPHEVを大量に売ってCO2削減量を稼げば少量の環境負荷が高いクルマを売ることもできようが、商業ベースには到底乗らないだろう。可能性があるとすればPHEVやBEVなどのフル電動車としての再登場か。
コロナ・ショックで大打撃を受け、これまでの再建ビジョンを再修正せざるを得ないところまで追い込まれた三菱自動車。だが、世の中には窮鼠猫を噛むという言葉もある。このへんでぜひ、起死回生の一発を見てみたいところだ。