国際情報

バイデンの相棒になったハリスが握る「トランプの事件」

初めてのそろい踏み会見でも、主役はハリス氏だった(AFP=時事)

 民主党大統領候補ジョー・バイデン氏のランニングメイト(副大統領候補)がカマラ・ハリス氏に決まり、17日には民主党大会が開かれて、正式に両名が選出される。世論調査ではトランプ大統領を大きくリードして順風満帆に見えるが、ここからがアメリカ大統領選挙の「仁義なき戦い」である。ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏の元に、共和党の中枢から興味深い「スキャンダル情報」が寄せられた。

 * * *
 大統領選挙の候補を決める党大会のスターといえば、普通は大統領候補となるバイデン氏だが、今回は、副大統領候補となったハリス氏が主役になることは間違いないだろう。オバマ政権で副大統領を務め、今回の大統領選挙でも早くから最有力候補といわれていた(実際は予備選前半で大苦戦したが)バイデン氏は、政治家としても大統領候補としても新鮮味に欠けるのである。ライバルであるトランプ大統領は、「Sleepy Joe(寝ぼけたジョー)」とあだなをつけて挑発している。彼は峠を越えた政治家だと見ている人が多いことを突いた、さすがのネーミング・センスである。

 トランプ大統領は、ハリス氏が副大統領候補に決まった瞬間、対抗するため自ら記者会見を開いた。それも2回行った。ハリス氏がメディアで取り上げられる時間を少しでも減らすためである。たかが副大統領候補のためにそこまでしなくてもよいのでは、と筆者は少し驚いた。それだけハリス氏の若さと行動力、未知の動員力を恐れていることの表れだろう。

 その直後、古い友人で共和党のコンサルタントを務めたK氏と話した。彼にとってはトランプ氏の対応は意外ではなかったようだ。「トランプ大統領は、ハリス氏が副大統領候補になることを最も恐れていた。なぜなら、バイデン氏はキャンペーン能力があまりなく、支持率でリードされていても最後は倒せると信じていた。攻撃すればすぐ慌てて興奮して反論する。トランプ氏にとっては扱いやすい相手だった。しかし、ハリス氏は頭も良く、検事として活躍した人物なので、人を被告席に座らせて罪人にするコミュニケーション能力に長けている。尋問がうまく、いろいろ弱点のあるトランプ氏にとっては手強い相手になる」と言うので、「ロシア疑惑でトランプ氏は追及を受けたが、特別検察官からも議会からも逃げ切り、弾劾を交わしたではないか」と反問したところ、「とんでもない。まだ公になっていない事件がある」と言うのである。検察人脈、司法人脈の豊富なハリス氏は、それを知り尽くしているのだという。それが事実なら、テレビ討論が楽しみである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン