ホストクラブ通いがやめられない女性は少なくない

ホストクラブ通いがやめられない女性は少なくない

「でも私は魔法の呪文も唱えられなかったし、変身の台詞も言えない声優だったんですけどねー」

 モモさんからこの冗談を聞くのも懐かしい。彼女は子供のころ魔法少女に憧れていた。いまでも似たような女児向けアニメのシリーズが続いているが、女性声優の誰もが憧れる役、いまも涙を流して喜ぶ声優だっている大役だ。当時の彼女はおちゃらけ半分に言っていたが、いま聞くと切ない。

「もうさすがに無理ですよね、そもそも声の仕事がないのに」

 年齢は伏せるが一般人ならまだ若いとはいえアイドル声優としては厳しい、もちろん40代でもアイドル声優として君臨するレジェンドもいるが、それはビッグヒットの積み重ねがあっての話。毎年若手が何百人とデビューする、ましてアイドル顔負けどころか本来ならアイドルになるべき美少女が声優になる現代に、モモさんのチャンスはまずないだろう。昔なじみだからこそ、私は彼女に気休めなんか言わない。それは逆に彼女のプライドを傷つける。

「演技では負けないつもりです。それなりに役もこなして来ました。でもその程度じゃ生き残れない」

 モモさんの実力は確かなもので、評価そのものは高かったからこそ2000年代に声優でいられたのだ。そしてそんな彼女がなぜを、負担が大きい夜の仕事をしていたのか、私はそれも知っている。ホストクラブ通いはやめたのか?

「そりゃやめてますよ、というか彼氏と暮らしてるんで、そういうのもうないです」

 2000年代後半、モモさんはホストにハマっていた。そのホストに貢ぐため、積もりに積もったホストクラブでの借金を返すため、声優なのに体を酷使するサービス業で働いていた。「口も酷使します」という彼女なりのせいいっぱいの冗談は声優だけに笑えなかった。ファンは当然知らない。モモさんは匿名掲示板にスレが立つくらいの声優ではあったが、プライベートも注目されるほどの人気声優というわけではなかった。顔バレすることなく風俗嬢でいられたのも、皮肉だが人気がなく知られてなかったから。彼女の例は極端とはいえ、モモさんのようにホストに狂った声優を私は他にも知っている。それくらい2000年代のホストクラブは勢いがあり、芸能界や代理店に食い込んで何でもあり、やりたい放題だった。大人気アイドル声優がホストに狂い、実力派のクール系女性声優の彼氏もホストでなけなしの金を貢いでいた。もちろんホストでなくとも男で潰れた女性声優はいる。ただモモさんの場合は店で働くどころか企画系AVにだって出たことがあるほどハード、彼女たちと比べても身を持ち崩し過ぎた。その原因こそ売れなかったこと、彼女が言うところの「モチベーション」だったのかもしれない。

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