芸能

夜の街で働く元アイドル声優「この世界、地獄は覚悟しないと」

実際にプロの声優になれるのは選ばれたほんの一握り

実際にプロの声優になれるのは選ばれたほんの一握り

 いま声優志願者は30万人にのぼるとも言われるが、現実に声優という仕事に就いている人は1000人程度とみられている。そのうち、声優の仕事だけで生活できている人となると、さらに限られてくる。なかでも「アイドル声優」と呼ばれる人になると、さらに選抜された人たちだ。いったん、人気声優への階段をのぼりながら転落する人も少なくない。俳人で著作家の日野百草氏が、今回は、現在は夜のサービス業で働く元アイドル声優についてレポートする。

 * * *
「えへへ、バレてしまってましたか」

 愛くるしい小柄な容姿にブレスたっぷりのキャンディボイス、かつて、アイドル声優としての資質をすべて備えていたはずの彼女と再会したのはコロナ禍「夜の街」の取材中だった。街で声をかけてきたのはなんと彼女の方。彼女は夜のサービス業で働いていた。仮にモモさん(仮名)とする。彼女が好きな昔の魔法少女アニメ(2代目のほう)のヒロイン名だ。私も業界を離れて久しい身とはいえ、今回は内容が内容だけに年齢含め身バレ防止をとくに徹底している。

「ずっと知ってたなんてさすが上崎さんですねー、声かけなきゃよかった!」

 もちろん私の今の仕事を知らないモモさんは私を編集長時代のまま本名で呼ぶ。もう10年以上前の話。彼女は背が小さくて女児のようだった。少しふっくらした以外はそれほど変わらない。違いは、あの頃のフリフリ服ではなく身を隠すほどのもっさりしたパーカーだということ。

「フリーになってからも続けてます。でもやっぱりあの時からバレてたのかー」

「バレてしまってましたか」「知ってた」「バレてた」というのは、彼女が当時から風俗サービスのバイトをしていたことを私が知っていたことだ。じつは口外しないだけで、私以外も業界関係者数名がモモさんの「バイト」を知っていた。1998年、2004年の人気女性声優のAV出演騒動、2007年の大手声優事務所代表取締役の逮捕、およそ15年を経た現在ならSNSを中心に大変な騒動となったことだろうが、匿名掲示板が関の山の1990年代後半から2000年代、ついこの前のようでいまや忘却の彼方の時代、無邪気に声優を目指す令和の子たちが知るはずもない。疑惑というだけならもっとあるが真相は横に置く。そしていまもモモさんは夜のサービスを続けている。事務所も辞めてフリー、いまは声の仕事はないので、職業上はこちらが本業になってしまっていた。

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン