国内

コロナ軽症者向け宿泊療養施設 感染者の間に「深刻な溝」

東京都では軽症や無症状の陽性患者を受け入れる宿泊療養施設にロボットを試験導入(AFP=時事)

東京都では軽症や無症状の陽性患者を受け入れる宿泊療養施設にロボットを試験導入(AFP=時事)

 現在、第二波のまっただ中という指摘もある新型コロナウイルスだが、春先によくいわれていた「高熱」「においが分からなくなる」「味がしない」といった症状が現れない陽性患者が多い。無症状、軽症の感染者については、重症者や通常の医療のオペレーションを維持するため、病院とは別に用意された指定の宿泊療養施設へ、およそ2週間目安で入ることになる。その宿泊療養をめぐり感染者どうしで溝が深まっている様子について、ライターの森鷹久氏が、レポートする。

 * * *
 厚生労働省の発表によれば、国内における新型コロナウイルスの感染者の総数は6万1747例、そのうち、現在も入院治療などが必要な人数が1万1873名(いずれも8月23日時点)といい、筆者の周囲でも「身近な人が感染した」という話が相次ぎ、ある人は「自分が感染してしまった」とSNS上で表明。もはや、自分もいつ感染してもおかしくないと痛感せずにはいられない状況だ。幸いにも知人のなかからコロナで亡くなったり、重症化したという人は、まだいない。

「自分は、咳や頭痛、微熱もあったし、重症化して死ぬのは本当に嫌でした。だから、入院中もしっかり安静にしていました。子供はまだ小さく、早く家に帰りたい一心でした」

 こう話すのは、都内在住の自営業・岩田祥太さん(仮名・20代)。仲間内の会合で「クラスター」が発生し、自身以外にも数名が感染した。ただ、症状があったのは岩田さんただ一人だったという。

「無症状の知人二人が2週間ホテルに隔離されたんですが、退屈だとか酒が飲みたいとか言っていて、便所でタバコを吸ったといって笑っていました。奴らにとっては、感染と言われても実感が湧かなかったのでしょう。SNS上で、私と言い合いになってしまいました」(岩田さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《追突事故から4ヶ月》広末涼子(45)撮影中だった「復帰主演映画」の共演者が困惑「降板か代役か、今も結論が出ていない…」
NEWSポストセブン
江夏豊氏(右)と工藤公康氏のサウスポー師弟対談(撮影/藤岡雅樹)
《サウスポー師弟対談》江夏豊氏×工藤公康氏「坊やと初めて会ったのはいつやった?」「『坊や』と呼ぶのは江夏さんだけですよ」…現役時代のキャンプでは工藤氏が“起床係”を担当
週刊ポスト
金正恩(中央)と娘の金ジュエ(右)。2025年6月29日に撮影され、2025年6月30日に北朝鮮の国営通信社(KCNA)が公開した写真より(AFP=時事)
《“爆速成長”と注目》金正恩総書記の13歳娘が身長165cmに!北朝鮮で高身長であることはどんな意味を持つのか 
殺害された二コーリさん(Facebookより)
《湖の底から15歳少女の遺体発見》両腕両脚が切断、背中には麻薬・武装組織の頭文字“PCC”が刻まれ…身柄を確保された“意外な犯人”【ブラジル・サンパウロ州】
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
【頻発するクマ被害】オバ記者が出会った2人の“クマ関係者”、バツイチ猟師が明かした害獣駆除の難しさ「キツイのは世間体だよね」
女性セブン
山本由伸の自宅で強盗未遂事件があったと報じられた(左は共同、右はbackgrid/アフロ)
「31億円豪邸の窓ガラスが破壊され…」山本由伸の自宅で強盗未遂事件、昨年11月には付近で「彼女とツーショット報道」も
NEWSポストセブン
佳子さまも被害にあった「ディープフェイク」問題(時事通信フォト)
《佳子さまも標的にされる“ディープフェイク動画”》各国では対策が強化されるなか、日本国内では直接取り締まる法律がない現状 宮内庁に問う「どう対応するのか」
週刊ポスト
『あんぱん』の「朝田三姉妹」を起用するCMが激増
今田美桜、河合優実、原菜乃華『あんぱん』朝田三姉妹が席巻中 CM界の優等生として活躍する朝ドラヒロインたち
女性セブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月16日、撮影/横田紋子)
《モンゴルご訪問で魅了》皇后雅子さま、「民族衣装風のジャケット」や「”桜色”のセットアップ」など装いに見る“細やかなお気遣い”
大谷家の別荘が問題に直面している(写真/AFLO)
大谷翔平も購入したハワイ豪華リゾートビジネスが問題に直面 14区画中8区画が売れ残り、建設予定地はまるで荒野のような状態 トランプ大統領の影響も
女性セブン
休場が続く横綱・豊昇龍
「3場所で金星8個配給…」それでも横綱・豊昇龍に相撲協会が引退勧告できない複雑な事情 やくみつる氏は「“大豊時代”は、ちょっとイメージしづらい」
週刊ポスト