死闘を繰り広げる40代のベテラン勢
もう一つの注目は、将棋界最高のタイトル竜王に挑む戦い。竜王戦の挑戦者決定三番勝負である。決勝トーナメントを勝ち抜いた羽生善治九段(49)と丸山忠久九段(49)の名人経験者同士によるベテラン対決が実現した。
8月17日の第1局は丸山九段が勝ち、羽生九段は後がなくなった。8月25日に行われた第2局は羽生九段が勝ち、100期目のタイトル挑戦に向けて踏みとどまった。第3局は9月19日に行われる。
史上初、100期目のタイトル獲得を狙う羽生善治九段(時事通信フォト)
羽生九段は、いまさら紹介するまでもないが、七冠に輝いた将棋界のレジェンドで通算タイトル数は99。永世称号を七つ獲得した史上最強と呼ばれる史上初の「永世七冠」で国民栄誉賞も受賞している。
その生涯年収もスゴイ。公式に確認できる日本将棋連盟の「獲得賞金・対局料ランキング」(1993年~2019年)のトータル額だけで約28億円となっている。このほか、『決断力』(角川書店)、『大局観』(角川書店)、『人工知能の核心』(NHK出版)など著作は200以上もあり、その印税収入もかなりの額になる。
さらにCMにも数本出演したことがあり、生涯収入の総額は30億円を超え、間違いなく将棋界の最高収入プレーヤーと見られている。丸山九段との挑戦者決定三番勝負に勝ち、豊島竜王との七番勝負に勝てば、史上初の100期目のタイトル獲得となる。