丸山九段は、名人2期、棋王1期のタイトル経験者。これまでにタイトル戦には10回登場している猛者である。兄弟子の米長邦雄永世棋聖(故人)からは「丸ちゃん」と呼ばれていたという。
1983年の奨励会入会試験に落ちて研修会に入会。研修会A級に昇級したことで奨励会6級に編入した。早稲田大学社会科学部に進学し、大学生活を送る中で三段リーグを戦い、2年生になった1990年に四段に昇段し、プロ棋士となった。その後大学も卒業している。
学生時代のことを本人は〈何となく早稲田に憧れみたいなものを持っていて、ちょうど社会科学部で自己推薦制度が始まった年で、その制度で受験しました。面接の時は『名人を目指します』と言いました〉などと振り返っている(『早稲田ウィークリー』2000年9月28日号より)。
両者のどちらが挑戦者となっても、10月から始まる七番勝負の時には50歳になっているので、30歳の豊島竜王とは20歳の年の差対決となる。
王座戦の挑戦者もベテランだ。8月3日に行われた挑戦者決定戦で渡辺三冠を下して、9月3日に始まる王座戦五番勝負で、永瀬王座への挑戦権を得たのは久保利明九段(45)。棋王3期、王将4期のタイトル履歴を誇る実力者で“捌きのアーティスト”の異名を取る振り飛車の第一人者である。
今年7月にツイッターを開始。最初の投稿は「初めまして 将棋棋士の久保利明です。振り飛車が得意です。本日から個人でTwitter始めます。よろしくお願いします」というもの。実直な人柄がうかがえる文面だ。フォロワーは1万3000人。阪神ファン歴35年だという。
王将戦では羽生、木村、竜王戦では羽生、丸山、そして王座戦では久保。40代のベテラン勢がタイトル奪取に向け、死闘を繰り広げることになる。