国内

沖縄返還&ノーベル賞でも佐藤栄作が名宰相と呼ばれない理由

7年8か月の政権は苦悩も多かった(時事通信フォト)

 安倍首相は大叔父・佐藤栄作首相の連続在任記録(2798日)を抜いた。その佐藤は沖縄返還を成し遂げ、日本人でただ1人ノーベル平和賞を受賞しながら、「大宰相」と呼ばれることはあっても、「名宰相」との評は少ない。なぜか。

 佐藤政権は日本の転換点にあたり、内政では公害や住宅不足など高度経済成長の歪みに直面し、外交では米国との関係に苦しみながら国を運営した。時代の転換点に総理の任にあるという点は安倍も同じだ。大叔父の政治は姪孫と何が違い、どこが似ているのか、政治ジャーナリスト、武冨薫氏がレポートする。(文中一部敬称略)

 * * *
 佐藤の退陣表明会見(1972年6月17日)の異様な状況はテレビで生中継された。

「出てください。構わないですよ」。テーブルをドンと叩く。内閣記者会の記者が「出よう、出よう」と全員退出すると、1人残った佐藤はテレビカメラに向かって「国民に告ぐ」という退陣の弁を語り続けた。

 翌日の日記に、佐藤はこう書いている。

〈昨日の今日の事で、各社朝刊は一斉に小生の批判の記事で紙面をつぶす。いつまでつづく事やら〉(『佐藤栄作日記』)

 マスコミ嫌いで知られ、寡黙ながら威厳のある総理だった。大蔵官僚時代に佐藤内閣の官房長官秘書官を務めた藤井裕久・元財務相が語る。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
NEWSポストセブン
LUNA SEA・真矢
と元モー娘。・石黒彩(Instagramより)
《80歳になる金婚式までがんばってほしい》脳腫瘍公表のLUNA SEA・真矢へ愛妻・元モー娘。石黒彩の願い「妻へのプレゼントにウェディングドレスで銀婚式」
NEWSポストセブン
昨年10月の総裁選で石破首相と一騎打ちとなった高市早苗氏(時事通信フォト)
「高市早苗氏という“最後の切り札”を出すか、小泉進次郎氏で“延命”するか…」フィフィ氏が分析する総裁選の“ウラの争点”【石破茂首相が辞任表明】
NEWSポストセブン
万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン