また退院から8週間経過した121人を調査した英マンチェスター大学の研究では、8人が聴力の悪化、別の8人が耳鳴りの発生を認めた。ほかにも欧米の研究では、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、うつ病、不眠症、気分障害、幻覚、手足のしびれ、方向感覚の喪失が指摘された。腎不全、腎臓病、脳炎、血栓症、抜け毛を指摘する研究もある。
日本も例外ではない。ヒラハタクリニック院長の平畑光一さんは新型コロナの感染拡大後、後遺症と思われる症状の患者が増えたと語る。
「3月頃から明らかに普通とは思えないほど微熱が長時間続く患者が急増したため、初期から新型コロナの後遺症も疑っていました。実際に海外の症例とも一致しており、後遺症である確率は高いと考えています。
ちなみに微熱のほかに多い症状は、胸や喉の違和感、咳、食欲不振、悪寒、下半身の関節痛などです」(平畑さん)
厚労省は実態解明のため、8月からようやく調査を始め、来年3月まで約2000人を対象に研究を行う予定だ。
※女性セブン2020年9月17日号