宇野:本来この時期にはアイスショーなどがある予定だったんですが、今年はそういったイベントが何も無かった。他に何か出来ることはないかと考えた時に、僕はTwitterなどのSNSをまったくやっていなくて、僕から発信する媒体が無かったんですね。そこで皆さんに発信できることはないかと考えた結果がYouTubeでした。
すいのこ:今まで情報を発信することをしなかった宇野さんがYouTubeという情報発信をするようになったきっかけって何でしょうか?
宇野:最近、自分のフィギュアスケートに対する原動力について考えることがあって。子供の頃からインタビューで「将来の目標は?」って聞かれていて、最初は「ないです、考えてないです」って答えていたんですけど、そのうち「『オリンピック』って答えなさい」って言われるがまま答えていました。
ただ大きくなったある日、自分の本当の目標って何だろうって考える機会があったんです。こう言うと失礼にあたるかもしれないんですが、周りの人はオリンピックで結果を残すことだったりしたんですが、自分の場合はオリンピックが最終目標ではないなと思いました。
僕にとっては今日が全て。明日のことも昨日のこともあまり深く考えていなくて、だからこそオリンピックに対して特別に意識はしていないんですよね。一日一日、目の前のことを精一杯やって、成長する自分を実感していったその先に、オリンピックがあるんだと考えています。
そうやって今まではモチベーションの源泉を自分に見出していたのですが、最近、何か皆さんにできることがあるんじゃないかって考えるようになりました。正直、今まで僕から皆さんのために何かをしたいって思ったことがなかったんですが、昨シーズンの不振を通じて自分を振り返った時に、僕は沢山の人に支えられているんだって実感して、自分も何か貢献したいなって思い始めたのも理由の一つです。