芸能

人気の飯尾和樹 目指すは「ピクルスやパセリのような芸人」

あきらめなかったら売れていたと言う飯尾

“非モテおじさんブーム”などといわれる昨今。その中心にいるのが、お笑いコンビ・ずんの飯尾和樹(51才)だ。

 CMでは、田中みな実の夫役や田中圭に嫉妬されるスター競艇選手を演じ、ドラマ『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)では多部未華子の取引先の課長役を演じるなど、バラエティー番組だけでなく、さまざまなジャンルで活躍する彼に話を聞いた。

1回ダメでも、2回、3回と諦めなければ20代で売れていた

 キャイ〜ンやナインティナインなど、同期には一気にスター街道を駆け上がった芸人が多い中、飯尾は長く売れない時期を過ごしてきた。

「30才目前など、何度かやめようかと思いましたよ。でも、そのたびに関根勤さん(67才)や出川哲朗さん(56才)が、『飯尾おもしろいよ。そのまんまやればいいのに』って褒めてくれるんです。

 第一線で活躍している彼らがそう言うんだから、まだできるかなって。そんな痛み止め注射を打ってもらいながらやってきたって感じです。ただ、あれだけ人を褒める関根さんに、『特番見たよ、いや~紺のスーツがよく似合ってたね』と言われたときは、『あ、今日はそこしか褒めるところがないんだ』って反省しましたね。優しさって人を反省させるんですね」(飯尾・以下同)

 こんなふうに、時折、サラリと口にする深い言葉が心に染みる。

「ぼくは、やってることはずっと変わらないんですが、でも、20代といまではやっぱり違います。いま思うと、20代の頃って、ウケれば、そのまま売れたんですよね。でもぼくは、1回スベったらもう怖くてそれ以上できなかったんです。一緒に出ていた芸人たちと帰り道で『今日は流れが来なかったな』という最悪の言い訳をしたりしてね。

 いまなら、『お前に流れなんか来ないよ、誰も知らないんだから。流れを作るしかないだろう』って、当時の自分に言ってやりたいところですが、当時はそう言い訳しないと次の日を迎えられなかったんです。何もしなかった自分に対してね」

 明るく楽しく語っていた彼が、一瞬、真顔になる。過去の自分に語りかけているようだ。めげてはいけない。それに気づいたのは、ウド鈴木(50才)の姿を見てのことだった。

「ずんの前に組んでいた『La.おかき』というコンビを解散して、仕事がほとんどなかった頃、キャイ〜ンのラジオ収録を見に行ったんです。

 そこでウドちゃんが1回スベって、2回目もダメだったのに、3回目もめげずにボケたら、ドーンとウケたんです。それを見て、心底すごいと思って、自分の中で何かが弾けたんですよね。

 それと、タモリさんが運転手のジョニ男さんに『がんばって上へ行きたいなら、自分がおもしろいと思うことをやってればいいんじゃないか。飯尾なんて、会ったときからずっとやってること同じだもんな』と言ったのを聞いたことですね。

 タモリさんには『時代は追うな』とも言われました。時代は追っかけようとすればするほど、絶対追いつかない。でも、ずっと同じことをしていれば、ひと回りして時代がいつか追いつくって。ああ、そうかーと思ってね。ぼくの場合、人の名前をお借りして、ギャグをするしか思いつかないから、そればかりやってるんですけどね」

関連キーワード

関連記事

トピックス

山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン