オーストラリアのモリソン首相も一歩も退かぬ構え(EPA=時事)

 オーストラリアの白人を侮辱するような言葉は、いずれヨーロッパと北米に対しても同様に、これからは白人国家ではない「新しいボス」が世界を動かすのだというメッセージを伝えるための布石かもしれない。

 中国の指導者たちには、17世紀のヨーロッパで生まれたウェストファリア体制のような、主権国家間の対等な関係に立脚した外交の歴史的モデルがない。中国は何千年もの間、東アジアでは圧倒的な覇権国家であり、周辺の国々を属国として扱った。やがて、西洋諸国が東アジアに進出すると、今度はアヘン戦争、そして欧米列強や日本による「中国のメロンを刻む」と呼ばれた屈辱的な植民地支配を受けた。大量のアヘン中毒や伝統的社会の崩壊によって国はズタズタになった。

 中国人の中に、欧米諸国への復讐の渇望が潜んでいたとしても驚くには当たらない。とりわけ指導層にはそうした野望があるかもしれない。しかし、他国を叩いて遠ざけることは、中国の近代化や技術革新を踏みにじることになる。そして、その支配に屈するのは、指導者が中国政府に依存している国や、国ごと中国マネーに買収されるような弱小国だけだ。中国の強硬戦略が行き詰まることは想像に難くない。

情報提供:John McMahon

(この記事は「American Thinker」の許諾のもと同サイトの記事を翻訳・要約したものです)
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