国際情報

【アメリカ発】中国のオーストラリア叩きは白人への復讐か

最近の中国外交は諸外国との対立が目立つ(中国通信/時事通信フォト)

 中国とオーストラリアの関係が泥沼化している。双方が引くに引けないチキンレースの様相だ。そんななか、中国政府系新聞が使ったある表現が、欧米各国で物議を醸している。American Thinkerの設立者であり編集人であるThomas Lifson氏が自らリポートした。

 * * *
 コロナウイルスが世界に蔓延した経緯にオーストラリア政府が疑問を呈し、正式な調査を開始したことに対して、中国は激しく反発している。両国間の緊張の高まりの中で、中国政府系の新聞Global Timesが社説で使った表現は、中国が白人多数派国家を標的にすることには人種的な敵意が一役買っていることを示唆している。

 オーストラリアのニュースサイトNews.com.auはこう報じている。

《中国の政府系新聞Global Timesは、オーストラリアが最大の貿易相手国である中国との紛争激化によって、「アジアの貧しい白いごみ(poor white trash of Asia)」になる危険性があると伝えた。

 この表現は、中国政府がオーストラリア産ワインの2度目の調査を開始し、オーストラリア人ジャーナリストのチェン・レイ氏を拘束したニュースに関して使われた。

 先週、スコット・モリソン首相は、外国政府と地方・州政府との協定が国益に反する場合、ビクトリア州が中国政府と協力して進めている「一帯一路」事業を破棄する新たな権限を発表し、オーストラリアと中国の間でますます緊張が高まっている。

 Global Timesの社説は、「オーストラリア政府には、中国を刺激するのを止めようという兆候がほとんどない」と述べている。

 同社説は中国の専門家の言葉を引用し、「オーストラリアが中国との関係を断つことは、中国を再び貧困に引き戻すことにはならず、シンガポールのリー・クアンユー元首相の有名な言葉の通り、オーストラリアが経済を開放して失業率を低下させなければ、『アジアの貧しい白いごみ』になるリスクを冒すことにしかならない」と論じている。

 そのうえで、「オーストラリアとの関係が途絶えても、中国の製品や投資マネーが新しい市場と投資先を見つけることは難しくないだろう。しかし、オーストラリアが巨大な輸出市場や、高品質で安価な輸入品の供給元に関して、中国に取って代わるものを見つけることは容易ではない」とした。》

 アメリカに対しては、中国は依然としての巨大な輸出市場として依存し、その軍事力を恐れているため、両国間に対立があっても、トランプ大統領やアメリカ政府を脅して退かせることはできない。しかし、オーストラリアは国民が2500万人しかおらず、最大の輸出市場として中国に依存しているため、威嚇するのはずっと容易だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

千葉ロッテの新監督に就任したサブロー氏(時事通信フォト)
ロッテ新監督・サブロー氏を支える『1ヶ月1万円生活』で脚光浴びた元アイドル妻の“茶髪美白”の現在
NEWSポストセブン
ロサンゼルスから帰国したKing&Princeの永瀬廉
《寒いのに素足にサンダルで…》キンプリ・永瀬廉、“全身ブラック”姿で羽田空港に降り立ち周囲騒然【紅白出場へ】
NEWSポストセブン
騒動から約2ヶ月が経過
《「もう二度と行かねえ」投稿から2ヶ月》埼玉県の人気ラーメン店が“炎上”…店主が明かした投稿者A氏への“本音”と現在「客足は変わっていません」
NEWSポストセブン
自宅前には花が手向けられていた(本人のインスタグラムより)
「『子どもは旦那さんに任せましょう』と警察から言われたと…」車椅子インフルエンサー・鈴木沙月容疑者の知人が明かした「犯行前日のSOS」とは《親権めぐり0歳児刺殺》
NEWSポストセブン
10月31日、イベントに参加していた小栗旬
深夜の港区に“とんでもないヒゲの山田孝之”が…イベント打ち上げで小栗旬、三浦翔平らに囲まれた意外な「最年少女性」の存在《「赤西軍団」の一部が集結》
NEWSポストセブン
スシローで起きたある配信者の迷惑行為が問題視されている(HP/読者提供)
《全身タトゥー男がガリ直食い》迷惑配信でスシローに警察が出動 運営元は「警察にご相談したことも事実です」
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月10日、JMPA)
《初の外国公式訪問を報告》愛子さまの参拝スタイルは美智子さまから“受け継がれた”エレガントなケープデザイン スタンドカラーでシャープな印象に
NEWSポストセブン
モデルで女優のKoki,
《9頭身のラインがクッキリ》Koki,が撮影打ち上げの夜にタイトジーンズで“名残惜しげなハグ”…2027年公開の映画ではラウールと共演
NEWSポストセブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段どおりの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン