もうひとつ、ここにきて重大な要素になっているのが最高裁判事の後任人事である。リベラル派のギンズバーグ氏の後任に、トランプ氏と共和党は保守派を充てようとしている。そうなれば最高裁の保守派とリベラル派の構成は6対3になり、今後は保守派寄りの最高裁判決ばかりになる可能性がある。
トランプ氏が狙っているのは、保守派が期待する「人工中絶に反対する判事」の誕生だ。この問題を持ち出せば、全米が大論争になって、ほかのイシューは薄れてしまうのがこれまでの常である。トランプ氏を苦しめているコロナ問題をかわすことができる。
フロリダの高齢者とヒスパニック、人工中絶に賛成する勢力と反対する勢力、次期大統領を決するのは、この有権者たちの行動にかかってきた。