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1000億円超に膨れ上がったマスク市場 最後に勝つのはどこだ

一時は1枚100円前後まで跳ね上がった不織布マスク

参入メーカーが相次ぎ、品薄状態が解消された不織布マスク

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、数か月にわたって品薄・品切れが続いていたマスク。現在はそうした状態もようやく解消されたが、この間、マスク製造に参入するメーカーが相次いだために、一転して生き残りをかけた激しいシェア争奪戦が勃発している。果たして最後に勝つメーカーはどこか。ジャーナリストの有森隆氏がレポートする。

 * * *
「マスクの市場規模が生理用品を上回る」──。生理用品大手、ユニ・チャームの高原豪久社長の発言だ。

 新型コロナの感染拡大を受け、国内ではマスクが供給不足に陥り、一時期、ドラッグストアなどの店頭から完全に姿を消し、高額転売が問題視された。だが、政府が補助金を出したこともあり、マスク製造に参入する企業が増えた。「最近は店頭に安定的に並び始めている」(ドラッグストアの店長)というのが、全国的な現状だろう。

 高原社長は、「これから始まるのはマスクの選別。品質や信頼できるブランドが選ばれるようになっていく」と述べ、先行きに対する自信を示した。

 ユニ・チャームは国内マスク市場で首位。「超快適マスク」「超立体マスク」を製造・販売しており、2020年1~6月期のマスクの販売額は前年同期比で3倍にも膨らんだ。感染防止のため、マスクを着ける習慣が日本だけでなくアジアでも定着するとにらんでおり、「市場規模は1000億円を超え、生理用品を超えるカテゴリーになりつつある」(同)という。

マスク装着が欠かせなくなった朝の通勤風景(AFP=時事通信フォト)

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