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トランプ「大統領は譲らない」に、ついに共和党重鎮がキレた

バイデン氏がさらにトランプ氏を引き離す展開に(AFP=時事)

 アメリカ大統領選挙は、引き続き民主党のバイデン候補が有利な戦いを展開している。いよいよ崖っぷちに追い詰められたトランプ大統領は、とうとう「選挙で負けても大統領職は譲らない」という主旨の発言をし、与党共和党からも批判されている。ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏がトランプ陣営幹部を直撃した。

 * * *
 まずは、もう日本でもよく知られるようになったReal Clear Politics(RCP)の激戦区の最新情報を見てもらいたい。RCP社は、多くの世論調査の結果をまとめ、平均値を出して公表している。調査会社でも信頼性の高いところ低いところがあり、調査結果が全く異なるものもある。特に、それぞれの候補を支持しているメディアのひいき目が反映された調査が信用できないことは日本と同じである。RCPは、それらを研究し尽くし、独自の平均値をはじき出している点が評価できる。

フロリダ州:48.7対47.4(バイデン対トランプ。以下同)
ペンシルベニア州:48.8対44.5
ミシガン州:48.5対43.3
ウィスコンシン州:50.3対43.7
ノースカロライナ州:46.7対45.9
アリゾナ州:48.3対45.1

 今のところ、ペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシンで大きなリード(まだ統計学的誤差の範囲内ではあるが)を奪っているバイデン氏の優位は揺るがない。ここまでくると本物といえるかもしれない。トランプ大統領のコロナ対策、経済政策(景気の回復)、法と秩序の回復、民主党を社会主義者の集団と叩くこと、そして最高裁判事の任命などの戦略は、十分な効果をあげていないと考えていいだろう。

 ここにきて、トランプ大統領は大きな失態を犯した。大統領選挙で自分が敗北した場合でも、次期政権への権力移行は「平和的には行わない」と発言したのである。これまでも選挙結果を受け入れるかどうか明言しておらず、郵便投票が増えれば不正が起きると主張してきたが(郵便投票ではバイデン氏が圧倒的にリードしているとされる)、ここまで不穏な言葉を発したのは初めてである。

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