都構想で起こる「大阪市民の大混乱」
ややこしいのが「住之江区住之江」→「中央区住之江住之江」などの“かぶりパターン”や、「阿倍野区天王寺南」→「天王寺区阿倍野天王寺南」などの“どっちやねんパターン”だ。
「原則、地名が重なる場合は一つだけ(「住之江区住之江」は「中央区住之江」)になります。天王寺か阿倍野か問題は、現在では何とも……。最終的には住民の意見を聞きながら市長が判断する予定です」(松井市長直轄で都構想を担当する市副首都推進局)
大きく揉めそうなのが「西成区」だ。街宣活動中の維新市議が〈新住宅表記に「西成」を入れないで欲しいと多くの方々から要望されます〉とツイッターに投稿すると、歴史ある西成の地名に愛着を持つ市民からの猛反発を招いた。
日雇い労働者の街として知られるあいりん地区はマイナスイメージを誘うこともあり、この地名を嫌う住民は少なくない。一方で郷土愛溢れる住民も多く、西成の地名を残すか、消すかの議論は怒鳴り合いの応酬となりそうな気配も漂う。
●取材/竹村元一郎(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2020年10月16・23日号
「消えた地名」のマンホールが残ることも?(ロイター/アフロ)