国際情報

「トランプはステロイドでおかしくなった」の声が続々

ホワイトハウス内のクラスターはさらに拡大(時事)

 トランプ大統領の異例のコロナ闘病キャンペーンは、アメリカ内外で物議をかもしている。選挙を優先するあまり、スタッフや側近を命の危険にさらしていることはもちろん、無理やり症状を抑えるためにいくつもの薬を同時投与して健康を維持している(ように見える)こと自体が、国家と世界の大きなリスクファクター(危険因子)になっている。ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏がリポートする。

 * * *
 すでにお伝えしたように、トランプ大統領はわずか3日で退院するために、強いステロイド剤を使用した。強いステロイド剤には精神の高揚や落ち込み、さらに認知障害などの副作用があり、大統領として正常な判断ができるのかどうかに疑問が生じる。これは、アメリカと世界にとって選挙戦よりも重大なテーマである。なにしろ人類を滅ぼすだけの核ミサイルのボタンを今も握っているのである。

 その影響は、すでにアメリカでも取り沙汰されている。コロナ危機対策として、政府は1兆6000億ドル(約170兆円)の予算措置を提案しているが、民主党のナンシー・ペロシ下院議長との折衝は難航し(民主党は2兆4000億ドルの予算を要求している)、ついにトランプ氏は「民主党との交渉は大統領選挙後まで延期する」と一方的に話し合いを打ち切ってしまった(翌日に一部撤回)。それに対し、怒り心頭のペロシ氏は、「強いステロイドのせいで、大統領の心理が侵されているのではないか」と非難した。かなり過激な発言である。

 実際、トランプ氏の3日間の投薬治療は通常行われるものとは大きく違った。強ステロイド剤であるデキサメタゾンは、精神に影響を与えるだけでなく、糖尿病の誘発などの重篤な副作用を起こす可能性がある。それ以外にも、まだ治療効果が実証されていない「ポリクローナル抗体カクテル」を8グラム投与され、コロナ感染症治療薬として認可されたレムデシビルは複数回使われた。その他、亜鉛、ビタミンD、ファモチジン、メラトニン、アスピリンを毎日服用しているという。こうなると、ステロイド剤の影響がどうかという以前に、そもそも世界で最も過酷な選挙戦を戦う健康状態ではないことは明白だ。

関連記事

トピックス

参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
《実は既婚者》参政党・さや氏、“スカートのサンタ服”で22歳年上の音楽家と開催したコンサートに男性ファン「あれは公開イチャイチャだったのか…」【本名・塩入清香と発表】
NEWSポストセブン
かりゆしウェアのリンクコーデをされる天皇ご一家(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《売れ筋ランキングで1位&2位に》天皇ご一家、那須ご静養でかりゆしウェアのリンクコーデ 雅子さまはテッポウユリ柄の9900円シャツで上品な装いに 
NEWSポストセブン
注目度が上昇中のTBS・山形純菜アナ(インスタグラムより)
《注目度急上昇中》“ミス実践グランプリ”TBS山形純菜アナ、過度なリアクションや“顔芸”はなし、それでも局内外で抜群の評価受ける理由 和田アキ子も“やまがっちゃん”と信頼
NEWSポストセブン
中居、国分の騒動によりテレビ業界も変わりつつある
《独自》「ハラスメント行為を見たことがありますか」大物タレントAの行為をキー局が水面下でアンケート調査…収録現場で「それは違うだろ」と怒声 若手スタッフは「行きたくない」【国分太一騒動の余波】
NEWSポストセブン
定年後はどうする?(写真は番組ホームページより)
「マスメディアの“本音”が集約されているよね」フィフィ氏、玉川徹氏の「SNSのショート動画を見て投票している」発言に“違和感”【参院選を終えて】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
皇室に関する悪質なショート動画が拡散 悠仁さまについての陰謀論、佳子さまのAI生成動画…相次ぐデマ投稿 宮内庁は新たな広報室長を起用し、毅然とした対応へ
女性セブン
スカウトは学校教員の“業務”に(時事通信フォト)
《“勧誘”は“業務”》高校野球の最新潮流「スカウト担当教員」という仕事 授業を受け持ちつつ“逸材”を求めて全国を奔走
週刊ポスト
「新証言」から浮かび上がったのは、山下容疑者の”壮絶な殺意”だった
【壮絶な目撃証言】「ナイフでトドメを…」「血だらけの女の子の隣でタバコを吸った」山下市郎容疑者が見せた”執拗な殺意“《浜松市・ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
【体にホチキスを刺し、金のありかを吐かせる…】ルフィ事件・小島智信被告の裁判で明かされた「カネを持ち逃げした構成員」への恐怖の拷問
NEWSポストセブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン