南海トラフと平行に異変が
【4】南海・東南海警戒ゾーン
政府の地震調査委員会が南海トラフ地震の発生を警告してきた地域だ。
「南海トラフと平行するように、四国から紀伊半島、愛知県にかけて異常変動が多数現われました。水平方向の動きでも、9月中旬に高知県東部、徳島県、和歌山県の地表に異なる向きの動きが観測されました。
AIの分析では愛知県に危険度の高い基準点が集中し、最近は京都でも地震が起きているため、近畿地方を含めて注意が必要です」(村井氏)
【5】北海道北東部警戒ゾーン
2018年に道央で発生した北海道胆振東部地震が記憶に新しいが、北東部でも大地震が起こる可能性があるという。
「8月末には北海道の北部にある基準点『中頓別(なかとんべつ)』と『枝幸(えさし)』で異常変動が現われました。水平方向の動きでも非常に活発な動きが見られます。AIの分析でも北部に危険度の高い基準点が集中している。7年前のMEGA地震予測開始以来、北海道北東部でこれだけの異常が見られることは初めてなので、注視しています」(村井氏)
最後に村井氏が言う。
「新型コロナ、台風・豪雨に加え、今年は大きな地震が少なかったため、地震への備えが疎かになっているように感じます。しかし、日頃の準備が、いざという時に被害を最小限に抑えるのです」
予測をもとに警戒を怠らないことが肝要だ。
※週刊ポスト2020年10月16・23日号