安らかな眠りについた
渡さんは結婚4年目に膠原病となり、その後も直腸がんや急性心筋梗塞などを患い、俊子さんとの結婚生活の大半は病との闘いとともにあった。
「大病を繰り返す中で渡さんは、献身的に看病を続けてくれた俊子さんに感謝していました。でも渡さんは口下手で、それを素直に口にすることができなかった。自分の病状を冷静にみたとき、奥さんを残して逝く可能性を感じた渡さんは、少しでも墓参りが楽なようにと墓の移設を決めたのです。移設した2007年は、石原裕次郎さん(享年52)が亡くなってちょうど20年目でもありました。いまでいう“終活”のひとつでもあったようです」(渡さんの知人)
自分の家の墓を新たに建てる人は多いが、同時に妻の実家の墓石まで新しくする例は少ないという。それほどまでに、渡さんの俊子さんに対する愛が深かったのだろう。
四十九日から2週間後の9月30日、裕次郎さんの妻で石原プロモーション会長の石原まき子さんが、次のようなコメントを発表した。
《遺言に従いご家族、会社が徹底して故人の希望に従い、密葬を8月14日に執り行い、四十九日法要を9月16日に家族のみで執り行いました事を報告とさせていただくと共に故人のご冥福を心よりお祈り申し上げます》
周囲の思いに守られるように、渡さんの墓はひっそりとたたずんでいた。
※女性セブン2020年10月22日号