店長と話すうちに男性も冷静になったのか、その後は出来上がるまでおとなしく待ってくれました。激高する客には冷静に対応した方がいいのかと思っていましたが、店長の気持ちのいい対応に、私たちも救われました。
●専門家の解説「冷静な相手には冷静に、興奮している相手にはハキハキと、客と話のテンポを合わせて対応する」
日本クレーム対応協会代表理事の谷厚志さんが、対処法を解説する。
「悲しいときには悲しい曲を聴きたくなるように、心の状態に合った対応をすると、共感を得やすくなります。これを“同質の原理”といいます。このケースもその原理にのっとった的確な対応ですね。また『20分も』『お急ぎのところ』などと、相手が怒っている点について具体的に謝ることで、『あなたの言い分を理解しています』という態度を示せます。
ただ、『待ち時間を金にして払え』と言われた点については、対応できないと、きっぱり断って構いません」
【プロフィール】谷厚志/日本クレーム対応協会代表理事。怒りを笑いに変えるクレーム・コンサルタントとして活動中。
取材・文/村重真紀
※女性セブン2020年10月29日