芸能

大河で唯一の「見るからにヒール」、顔芸が際立つ片岡鶴太郎

顔芸が際立つ片岡鶴太郎

 長谷川博己(43才)が主人公の明智光秀を演じているNHK大河ドラマ『麒麟がくる』。豪華なキャストが出演陣に顔を揃えているが、中でも存在感を発揮しているのが片岡鶴太郎(65才)だ。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが解説する。 

 * * *
『麒麟がくる』で片岡鶴太郎が頑張っている。
 
 鶴太郎は、摂津晴門役。それ誰?という感じだが、この人物は織田信長(染谷将太)の後押しで将軍となった足利義昭(滝藤賢一)の側近で、前の将軍時代から実務を取り仕切る「政所執事」なのである。いわば室町幕府の事務方のトップ。保守的な摂津は、大胆な信長と気が合うはずもなく、出てきたときからムスーッとして感じが悪い。嫌な予感が…。案の定、主人公の明智光秀(長谷川博己)は、幕府の中で不正が横行していることをつかむ。

 摂津は実にしたたか。信長を警戒し、このままだと信長を恨むものたちが将軍にも矢を向けるかもなどとささやいて、平和主義の義昭をビビらせる。義昭はたちまち涙目だ。一方で、土地の横領について訴状を突き付けて問いただす光秀には、「これが何か?」「それでぇ~?」と語尾を上げてからかうようにすっとぼける。バチバチにらみあう二人。そして、誰が横領したかきちんと詮議するべしという光秀に、五年かけ十年かけ、長ーい詮議になるとにんまり。笑っているのに口角が下がるという高度な顔芸で反撃する。

 しばしば画面いっぱいに映し出される晴門の悪だくみ顔。大河ドラマでは画面の大部分を占めるほどの顔のアップはあまりないが、目をむき、眉毛とヒゲをひくひくさせる晴門の顔芸アップは特別なのかも? 思えば、モノマネ芸人時代の鶴太郎はバンダナを頭に巻いて近藤真彦の『ギンギラギンにさりげなく』を歌って暴れていたが、顔はまったくマッチに似てなかった。それが30年以上の時を経て、鶴太郎の顔に注目することになろうとは。

関連キーワード

関連記事

トピックス

グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
民放ドラマ初主演の俳優・磯村勇斗
《ムッチ先輩から1年》磯村勇斗が32歳の今「民放ドラマ初主演」の理由 “特撮ヒーロー出身のイケメン俳優”から脱却も
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン