芸能

山口百恵秘話 話題性を狙った売り出すための大胆な作戦

(本誌写真部)

(本誌写真部)

 伝説の引退から早40年。NHKが引退コンサートの特集番組を放送するなど、今なお人気が衰えることのない山口百恵。彼女はいったい何が凄かったのか? 南沙織、郷ひろみ、山口百恵 などを手掛け、ヒットメーカーとして知られる音楽プロデューサー・酒井政利さんに、その山口百恵の秘話を聞いた。

スタ誕出身の3人娘をつくりたかった

 山口百恵は1972年にオーディション番組『スター誕生!』(日本テレビ系)で優勝し、翌年『としごろ』でデビューを果たす。

「私が初めて山口百恵と会ったのは、彼女が『スター誕生!』に出場する前のことでした。番組のプロデューサーをしていた日本テレビの池田文雄さん(故人)から『酒井さんに会ってもらいたい子がいるんです』と連絡があって。まず彼女の応募書類を見せてもらうことにしました。当時、13才だった百恵さんの写真を見て『なんてきれいな顔立ちなのだろう』と思ったのを覚えています。

 なぜ歌手になりたいのか? という欄に『勉強机が欲しいから』と記してあったのも印象的です。彼女と対面し、実際に言葉を交わしたあと、私は自分が彼女の表情に惚れ込んでいることに気づきました。彼女が笑うと、暗闇にマッチで火を灯したような温かみが広がり、笑顔が心に刻まれるのです。この子はきっとスターになると思いましたね」(酒井さん・以下同)

 そもそも番組プロデューサーが酒井さんに彼女を会わせた意図は何だったのだろうか。

「池田さんは、すでにデビューしていた森昌子、桜田淳子とともに、“スタ誕”出身の3人娘をつくりたかったのです。たとえば『わたしの城下町』を歌った小柳ルミ子が“陸”のイメージならば、『虹をわたって』の天地真理は“空”。そうなると“海”が欲しくなる。そのタイミングで南沙織が現れ、3人娘として売り出し、人気が定着した。この3人というのがミソなのです。

 赤、緑、青の光の三原色は混ざると明るい色になる。この論理を人間に適用したということもあるでしょう。もう1つ、3つの要素が互いに対立して入り乱れることを『三つ巴』といいますが、切磋琢磨させようという意図もありました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日のなかベビーカーを押す海外生活》眞子さん、苦渋の決断の背景に“寂しい思いをしている”小室圭さん母・佳代さんの親心
NEWSポストセブン
原付で日本一周に挑戦した勝村悠里さん
《横浜国立大学卒の24歳女子が原付で日本一周に挑戦》「今夜泊めてもらえませんか?」PR交渉で移動…新卒入社→わずか1年で退職して“SNS配信旅”を決意
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン