ライフ

唾液腺管に石ができる唾石症 位置・大きさで手術法異なる

松延毅 日本医科大学付属病院耳鼻咽喉科・頭頚部外科准教授

松延毅 日本医科大学付属病院耳鼻咽喉科・頭頚部外科准教授が唾石症を解説する

 唾石症(だせきしょう)は、口内に唾液を排出する唾液腺管に石ができる病気で、食事の際に腫れるなどの症状が起こる。その8割は顎下腺(がっかせん)に生じ、日常生活に支障をきたす場合には手術となる。標準治療は顎の下を切開する手術だが、唾液腺内視鏡の保険承認以降は内視鏡手術も普及しつつある。唾液腺管の中にある、手前の石は内視鏡下でも摘出可能なため、低侵襲(ていしんしゅう)な治療が可能だ。

 そんな唾石症について、詳しく解説する。

 唾液は99%が水分で、残り1%ほどに消化、抗菌、免疫などに係る成分が含まれている。唾液を排出する主な唾液腺は顎下腺、耳下腺(じかせん)、舌下腺(ぜっかせん)の3つで、唾石症の約80%は顎下腺に生じる。唾石症は唾液腺に細菌の死骸や剥離した粘膜上皮などの有機物が核となり、カルシウムなど無機物が沈着して石ができる。

 顎下腺の直径は3~4ミリ、耳下腺は2~3ミリと細く、そこに唾石ができると唾液の流れが滞る。そのため食事など唾液の分泌が増える際に唾液腺の腫れや鈍い痛みを生じるが、数時間経つと腫れが引く。

 また唾液腺の出口から、細菌が侵入し、化膿性炎症を起こすこともある。唾石症は幼児から高齢まで幅広い年代に発症、職業や男女差はない。

 日本医科大学付属病院耳鼻咽喉科・頭頚部外科の松延毅准教授に話を聞いた。

「唾石症は視・触診と超音波やCT検査で診断し、日常生活に支障をきたすかどうかで治療するかを決めます。唾石が唾液腺管の出口に近い場所にできた場合は口の粘膜を切って取り出します。唾液腺管の奥のほうにできた、比較的大きな唾石は首付近(顎の下)の皮膚を切り、唾液腺ごと摘出するのが標準治療です。しかし、傷が残ること、顔面神経麻痺など合併症のリスクもあります。なので私は小さい唾石だけでなく、5ミリ以上の奥のほうにある大きな唾石に対しても、唾液腺内視鏡を使った治療を行なっています」

関連キーワード

関連記事

トピックス

試練を迎えた大谷翔平と真美子夫人 (写真/共同通信社)
《大谷翔平、結婚2年目の試練》信頼する代理人が提訴され強いショックを受けた真美子さん 育児に戸惑いチームの夫人会も不参加で孤独感 
女性セブン
海外から違法サプリメントを持ち込んだ疑いにかけられている新浪剛史氏(時事通信フォト)
《新浪剛史氏は潔白を主張》 “違法サプリ”送った「知人女性」の素性「国民的女優も通うマッサージ店を経営」「水素水コラムを40回近く連載」 警察は捜査を継続中
NEWSポストセブン
ヒロイン・のぶ(今田美桜)の妹・蘭子を演じる河合優実(時事通信フォト)
『あんぱん』蘭子を演じる河合優実が放つ“凄まじい色気” 「生々しく、圧倒された」と共演者も惹き込まれる〈いよいよクライマックス〉
週刊ポスト
石橋貴明の現在(2025年8月)
《ホッソリ姿の現在》石橋貴明(63)が前向きにがん闘病…『細かすぎて』放送見送りのウラで周囲が感じた“復帰意欲”
NEWSポストセブン
決死の議会解散となった田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
「市長派が7人受からないとチェックメイト」決死の議会解散で伊東市長・田久保氏が狙う“生き残りルート” 一部の支援者は”田久保離れ”「『参政党に相談しよう』と言い出す人も」
NEWSポストセブン
ヘアメイク女性と同棲が報じられた坂口健太郎と、親密な関係性だったという永野芽郁
「ずっと覚えているんだろうなって…」坂口健太郎と熱愛発覚の永野芽郁、かつて匂わせていた“ゼロ距離”ムーブ
NEWSポストセブン
新潟県小千谷市を訪問された愛子さま(2025年9月8日、撮影/JMPA) 
《初めての新潟でスマイル》愛子さま、新潟県中越地震の被災地を訪問 癒やしの笑顔で住民と交流、熱心に防災を学ぶお姿も 
女性セブン
羽生結弦の被災地アイスショーでパワハラ騒動が起きていた(写真/アフロ)
【スクープ】羽生結弦の被災地アイスショーでパワハラ告発騒動 “恩人”による公演スタッフへの“強い当たり”が問題に 主催する日テレが調査を実施 
女性セブン
自民党総裁選有力候補の小泉進次郎氏(時事通信フォト)
《自民党総裁選有力候補の小泉進次郎氏》政治と距離を置いてきた妻・滝川クリステルの変化、服装に込められた“首相夫人”への思い 
女性セブン
ヘアメイク女性と同棲が報じられた坂口健太郎と、親密な関係性だったという永野芽郁
《初共演で懐いて》坂口健太郎と永野芽郁、ふたりで“グラスを重ねた夜”に…「めい」「けん兄」と呼び合う関係に見られた変化
NEWSポストセブン
千葉県警察本部庁舎(時事通信フォト)
刑務所内で同部屋の受刑者を殺害した無期懲役囚 有罪判決受けた性的暴行事件で練っていた“おぞましい計画”
NEWSポストセブン
2泊3日の日程で新潟県を訪問された愛子さま(2025年9月8日、撮影/JMPA)
《雅子さまが23年前に使用されたバッグも》愛子さま、新潟県のご公務で披露した“母親譲り”コーデ 小物使い、オールホワイトコーデなども
NEWSポストセブン