芸能

時を経て移り変わる女性芸人の芸風 容姿ネタは過去のものへ

女性芸人のあり方も多様化が進んでいるという

女性芸人のあり方も多様化が進んでいるという(3時のヒロイン)

 お笑い界の歴史は長いが、漫才やコントで一世を風靡してきた芸人には男性が圧倒的に多い。そんな“男社会”の中でも、男性以上にお茶の間の笑いを取ってきた女性芸人がいる。お笑いの“女性活躍”の半世紀をお笑い評論家のラリー遠田氏が振り返る。

 * * *
 笑いの歴史が始まった頃から、すでに女性芸人は存在していた。戦前で最も有名な女性芸人の1人であるミスワカナは、夫の玉松一郎とコンビを組み、夫婦漫才を披露していた。

 戦後に入ると、夫婦漫才は漫才の一ジャンルとして確立された。ミヤコ蝶々・南都雄二、鳳啓助・京唄子、人生幸朗・生恵幸子などの夫婦漫才師が人気を博した。

 一方、少数ではあったが、海原お浜・小浜、内海桂子・好江、かしまし娘のように、女性だけのコンビやトリオで活動する芸人もいた。

 関西の女性漫才師が全国区で認知されるきっかけになったのが、1980年に起こった漫才ブームである。男性の漫才師たちに紛れて、今いくよ・くるよ、春やすこ・けいこなどが注目を集めた。

 女性芸人で初めて「天下を取った」と言える地位にまで上り詰めたのは、西の上沼恵美子、東の山田邦子の2人である。長い間、男性芸人の引き立て役に甘んじていた女性芸人が初めてテレビの中心に立った。

 上沼恵美子は姉妹漫才コンビ「海原千里・万里」の海原千里としてデビュー。高校生とは思えない巧みな話術で瞬く間に人気者になり、関西ではテレビ・ラジオのレギュラー番組十数本を抱えたこともあった。1994・1995年には『NHK紅白歌合戦』で紅組司会を務めた。

 山田邦子は素人参加型のお笑い番組出演をきっかけに芸能界に入った。1989年に始まった『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』は、ゴールデンタイムに放送された女性芸人の名が冠されたコント番組として唯一無二のものである。この番組からは『愛は勝つ』『それが大事』などのヒット曲も生まれた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
反論を続ける中居正広氏に“体調不良説” 関係者が「確認事項などで連絡してもなかなか反応が得られない」と明かす
週刊ポスト
「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手
「全てを話せば当然、有罪となっていたでしょう」不起訴になった大物地面師が55億円詐欺「積水ハウス事件」の裏側を告白 浮かび上がった“本当の黒幕”の存在
週刊ポスト
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《大谷翔平が“帰宅報告”投稿》真美子さん「娘のベビーカーを押して夫の試合観戦」…愛娘を抱いて夫婦を見守る「絶対的な味方」の存在
NEWSポストセブン
「お笑い米軍基地」が挑んだ新作コント「シュウダン・ジケツ」(撮影/西野嘉憲)
沖縄のコント集団「お笑い米軍基地」が戦後80年で世に問うた新作コント「シュウダン・ジケツ」にかける思い 主宰・まーちゃんが語る「戦争にツッコミを入れないと」
NEWSポストセブン
神谷宗幣氏(写真中央)が率いる参政党は参院選で大躍進した。東京選挙区でも塩入清香氏(右)が当選(2025年8月写真撮影:小川裕夫)
《午前8時の”異変”》躍進した「参政党」、選挙中に激しい応酬のあった支持者と反対派はどこへ?参院選後の初登院の様子をレポート
NEWSポストセブン
令和最強のグラビア女王・えなこ
令和最強のグラビア女王・えなこ 「表紙掲載」と「次の目標」への思いを語る
NEWSポストセブン
“地中海の楽園”マルタで公務員がコカインを使用していたことが発覚した(右の写真はサンプルです)
公務員のコカイン動画が大炎上…ワーホリ解禁の“地中海の楽園”マルタで蔓延する「ドラッグ地獄」の実態「ハードドラッグも規制がゆるい」
NEWSポストセブン
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さん、撮り下ろしグラビアに挑戦「撮られることにも慣れてきたような気がします」、今後は執筆業に注力「この夏は色んなことを体験して、これから書く文章にも活かしたいです」
週刊ポスト
強制送還のためニノイ・アキノ国際空港に移送された渡辺優樹、小島智信両容疑者を乗せて飛行機の下に向かう車両(2023年撮影、時事通信フォト)
【ルフィの一味は実は反目し合っていた】広域強盗事件の裁判で明かされた「本当の関係」 日本の実行役に報酬を支払わなかったとのエピソードも
NEWSポストセブン
ブラジルの元バスケットボール選手が殺人未遂の疑いで逮捕された(SNSより、左は削除済み)
《35秒で61回殴打》ブラジル・元プロバスケ選手がエレベーターで恋人女性を絶え間なく殴り続け、顔面変形の大ケガを負わせる【防犯カメラが捉えた一部始終】
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月12日、撮影/横田紋子)
《麗しのロイヤルブルー》雅子さま、ファッションで示した現地への“敬意” 専門家が絶賛「ロイヤルファミリーとしての矜持を感じた」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
三原じゅん子氏に浮上した暴力団関係者との交遊疑惑(写真/共同通信社)
《党内からも退陣要求噴出》窮地の石破首相が恐れる閣僚スキャンダル 三原じゅん子・こども政策担当相に暴力団関係者との“交遊疑惑”発覚
週刊ポスト