国際情報

トランプ陣営の選挙ボランティアに1年潜入 衝撃レポート

10月17日、ミシガン州マスキーゴンで行われたトランプ集会にボランティアとして筆者が参加

10月17日、ミシガン州マスキーゴンで行われたトランプ集会にボランティアとして筆者が参加

 トランプかバイデンかではなく、トランプかトランプ以外か……今回の大統領選は、「トランプ現象」への信仰と抵抗のぶつかり合いだった。今後より激しくなるであろうその「衝突」を、ジャーナリストの横田増生氏は内側から見ていた。1年前にアメリカへ渡り、大統領選について発信してきた彼は、密かにトランプ陣営の選挙ボランティアとして働いていたのだ。横田氏による、衝撃の潜入レポートをお届けする。

 * * *

訴訟準備を手伝う

 ミシガン州都ランシングで借りているアパートから、共和党のボランティア活動に参加するため、車を走らせたのは選挙当日、11月3日の午後8時前のこと。ラジオが、トランプがフロリダ州を取る見込みである、と伝えているのを聞いて、長い夜になりそうだ、と思った。

 目的地は、州議事堂から歩いて5分のところにあるイベント会場。前日、私がメールで登録したのは「Election Day Operation War Room」というボランティア活動。強引に日本語に訳すのなら「選挙当日作業戦争室」とでもなるのか。午前6時半から翌4日の午前零時までの時間を4つの時間帯に区切りボランティアを募集していた。1日3回の食事も支給される。しかし、具体的に何をするのかまでは書いてない。

 ボランティアの集まる部屋は、イベント会場の隣にあるホテルの一室にあった。30人ほどが座れそうなスペースに、10人ほどのボランティアがいた。ベスという60代のボランティアの女性が説明してくれた。

「ここでは投票現場で不審な投票行動について、共和党が送りこんだ監視員(poll challenger)から、専用アプリを使って電話を受けるの。その内容を報告レポートに書き込んで、隣室で待機している弁護士に渡して、弁護士が訴訟を起こすなりの手段を講じるのよ。私? 正午過ぎから来ているから、もう帰ろうかと思っているわ」

 ボランティアの隣の2部屋に弁護士が待機しているのだ、という。総勢で何人の弁護士が詰めているのかは不明だったが、選挙当日から法廷で戦う気満々である。8時半を過ぎると、そのグループを仕切っている40代の男性がこう言った。

「電話も一段落したようですので、勝利パーティーの会場に移ってください」

 ベスと一緒にいた女性が尋ねた。「勝利パーティーって、どんな感じなの」

 男性が答えた。「勝った時には天国のような場所だけど、負けたら地獄みたいになるよ」

 それはおもしろいと思い、パーティー会場に足を向けた。

関連記事

トピックス

結婚へと大きく前進していることが明らかになった堂本光一
《堂本光一と結婚秒読み》女優・佐藤めぐみが芸能界「完全引退」は二宮和也のケースと酷似…ファンが察知していた“予兆”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン
日本サッカー協会の影山雅永元技術委員長が飛行機でわいせつな画像を見ていたとして現地で拘束された(共同通信)
「脚を広げた女性の画像など1621枚」機内で児童ポルノ閲覧で有罪判決…日本サッカー協会・影山雅永元技術委員長に現地で「日本人はやっぱロリコンか」の声
NEWSポストセブン
三笠宮家を継ぐことが決まった彬子さま(写真/共同通信社)
三笠宮家の新当主、彬子さまがエッセイで匂わせた母・信子さまとの“距離感” 公の場では顔も合わさず、言葉を交わす場面も目撃されていない母娘関係
週刊ポスト
阿部慎之助監督(左)が前田健太(時事通信フォト)の獲得に動いているとも
《阿部巨人の「大補強構想」》前田健太、柳裕也、則本昂大、辰己涼介、近本光司らの名前が浮上も、球団OBは「今はそんなブランド力はない」と嘆き節
週刊ポスト
松田烈被告
「テレビ通話をつなげて…」性的暴行を“実行役”に指示した松田烈被告(27)、元交際相手への卑劣すぎる一連の犯行内容「下水の点検を装って侵入」【初公判】
NEWSポストセブン
鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン
知床半島でヒグマが大量出没(時事通信フォト)
《現地ルポ》知床半島でヒグマを駆除するレンジャーたちが見た「壮絶現場」 市街地各所に大量出没、1年に185頭を処分…「人間の世界がクマに制圧されかけている」
週刊ポスト
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(インスタグラムより)
「バスの車体が不自然に揺れ続ける」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサー(26)が乱倫バスツアーにかけた巨額の費用「価値は十分あった」
NEWSポストセブン
イベント出演辞退を連発している米倉涼子。
《長引く捜査》「ネットドラマでさえ扱いに困る」“マトリガサ入れ報道”米倉涼子はこの先どうなる? 元東京地検公安部長が指摘する「宙ぶらりんがずっと続く可能性」
韓国の人気女性ライバー(24)が50代男性のファンから殺害される事件が起きた(Instagramより)
「車に強引に引きずり込んで…」「遺体には多数のアザと首を絞められた痕」韓国・人気女性ライバー(24)殺害、50代男性“VIPファン”による配信30分後の凶行
NEWSポストセブン