スポーツ

マイルCS グランアレグリアを推さない理由は見当たらない

阪神競馬場のパドック

阪神競馬場のパドック

 世代、牡牝を超えての激戦となりそうな第37回マイルチャンピオンシップ。競馬ライターの東田和美氏が分析した。

 * * *
 1番人気馬が10連敗中だが、その間単勝1000円以上というのは3回、馬連の万馬券は2回だけなので、無暗に穴を狙うこともない。平成後で見れば1番人気馬は10勝、5番人気馬までで26勝と上位人気馬が勝っている。気になるのは2、3番人気馬より4番人気馬の方が勝っている、ということぐらい。今回の人気上位馬は阪神外回り1600m、それもGIという舞台での実績がある。またマイルGⅠ2勝というスペシャリストもいる。人気上位馬での決着が濃厚だ。

 マイル、スプリントのGⅠは3月末の高松宮記念、6月初めの安田記念、秋口のスプリンターズS、そして11月後半のマイルCSと、4レースが組まれている。2000年以降で見ると、マイルGⅠ2勝以上のダイワメジャーやウオッカ、モーリスやインディチャンプはスプリントへの出走はなく、むしろマイル以上の距離を意識。一方、トロットスターやビリーヴ、ローレルゲレイロやキンシャサノキセキなどのスプリントGⅠ2勝馬は、マイルGⅠを目指したものの返り討ちにあっている。スプリントとマイルの両方を勝ったのは、デュランダルとロードカナロア、そして現在連勝中のグランアレグリアだけだ。

 このレースで牝馬が結果を出していないとして、グランアレグリアの評価を下げる予想コラムが何件かあった。確かに牝馬の連対は、2008年のブルーメンブラッド以後出ておらず、近年の牡牝混合GⅠとは異質のようだが、そもそも出走が少なかった。

 2000年以降は多くて4頭で、だいたい2頭か3頭。ファインモーションやダンスインザムードなどのGⅠ馬は勝ち負けの競馬をしているし、1990年代にはパッシングショット、シンコウラブリイ、ノースフライトが勝っている。近年のウオッカ、ブエナビスタ、ジェンティルドンナ、そしてアーモンドアイといった女傑は、翌週の東京2400mを目標にしていたのだ。

 スプリンターズSの時は距離短縮への疑念があったのか、「思い切って切る」などという予想も見られたが、今回グランアレグリアを推さない理由は見当たらない。本来ならば1本かぶりになってもいいぐらいだ。

 単勝オッズ1倍台というのは2005年のデュランダル(8着)以降出ておらず、勝ち馬となると1998年のタイキシャトル(1.3倍)が最後。言うまでもなく、この馬もスプリントとマイル(しかも海外のマイルも)を勝ち、「最優秀短距離馬」に選ばれている。

 サリオスの出走もあって、グランアレグリアを軸にした馬券もほんの少し妙味が出てきた。それでも人気上位馬同士による決着では、よほど絞らない限りトリガミになりそうなので、相手を少し捻ってみる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月31日、イベントに参加していた小栗旬
深夜の港区に“とんでもないヒゲの山田孝之”が…イベント打ち上げで小栗旬、三浦翔平らに囲まれた意外な「最年少女性」の存在《「赤西軍団」の一部が集結》
NEWSポストセブン
スシローで起きたある配信者の迷惑行為が問題視されている(HP/読者提供)
《全身タトゥー男がガリ直食い》迷惑配信でスシローに警察が出動 運営元は「警察にご相談したことも事実です」
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月10日、JMPA)
《初の外国公式訪問を報告》愛子さまの参拝スタイルは美智子さまから“受け継がれた”エレガントなケープデザイン スタンドカラーでシャープな印象に
NEWSポストセブン
モデルで女優のKoki,
《9頭身のラインがクッキリ》Koki,が撮影打ち上げの夜にタイトジーンズで“名残惜しげなハグ”…2027年公開の映画ではラウールと共演
NEWSポストセブン
前回は歓喜の中心にいた3人だが…
《2026年WBCで連覇を目指す侍ジャパン》山本由伸も佐々木朗希も大谷翔平も投げられない? 激闘を制したドジャースの日本人トリオに立ちはだかるいくつもの壁
週刊ポスト
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段どおりの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン