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高田文夫氏 伯山、渡部など2020年の「笑芸」世界を振り返る

2020年もいろいろなことがあった「笑芸」

2020年もいろいろなことがあった「笑芸」

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、2020年の「笑芸」の世界を振り返る。

 * * *
 この号が年内は最後だときいていたので2020年でも静かに振り返ろうかなと思っていた矢先、大衆芸能の世界でたて続けに訃報。陽気な私がまたまたショボーン。

 講談界では初の人間国宝となった「怪談の貞水」こと一龍斎貞水(81歳)。伯山の活躍で講談界が少しずつスポットを浴びていくのを見て、少しはホッとされて逝かれたのでは……。

 そこへ“小松のオヤブンさん”小松政夫さん(78歳)が亡くなったとの知らせ。私世代(ガースーと同い年・72歳)は『シャボン玉ホリデー』で植木等の弟子として出てきた頃から見ている。伊東四朗との呼吸のあった名コンビぶりも芸能史に残る大傑作。「どーかひとつ」「あんたはエライ」「もうイヤ、こんな生活」「知らない、知らない、知らない!」「しらけ鳥音頭」そして「電線音頭」の名司会者、小松与太八佐衛門。想い出すだけでおもしろくなってくる。板前役など俳優としてもとても良かった。

 その翌々日は大阪の“横山ホットブラザーズ”の長男であるアキラさん(88歳)が死去された。ノコギリを曲げて楽器にし、叩いてみると“お~ま~えは~、ア~ホ~か”ときこえてきて爆笑という、浪花名物の芸である。

 と、ここまで書いてきたら今ニュースが。「浅香光代(92歳)死去」やっぱり寒さのせいもあるのか、年輩が亡くなっていく。私がつかんでいるニュースではあの人とあの人も危ないという噂もチラホラ。皆なんとかこの冬を乗り越えて欲しい。

 コロナしかなかったこの一年、「笑芸」の世界を密に振り返るとまずこの三ツ。神田伯山の真打昇進襲名披露、志村けんさよなら、そしてアンジャッシュ渡部の胸クソ悪いあのニュースである。多目的トイレと言いながらあいつの目的はたったひとつだった。相方の児嶋が売れるというスピンオフも。

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