堺雅人が語る「ずっと変わらない」の意味
『半沢直樹』で夫婦役を務め、ソフトバンクのCMでものび太役で共演している堺雅人さんが上戸さんについて興味深い発言をしています。あまり知られていませんが2人は、17年前に放送された上戸さんの初主演ドラマ『ひと夏のパパへ』(TBS系)で共演していました。当時、上戸さんは17歳でしたが、「そのころから印象がずっと変わっていない」「あまり年齢を感じない」と言うのです。
これは見た目だけのことを言っているわけではなく、明るさや素直さなどの内面も含めたものでしょう。堺さんに限らず視聴者にも「10代のころからあまり変わっていない」という印象があるから、活動ペースを落としてピンポイントの出演になっても違和感なく受け入れやすいのです。
むしろ変わらないからこそひさびさに見ると貴重さを感じやすく、また、ピンポイントの出演でもインパクトを与えられるから忘れられてしまう不安はありません。たとえば、『M-1グランプリ』の放送前は、「早く上戸彩が見たい」という声がツイッターに飛び交うなど、視聴者に適度な飢餓感を与えています。
芸能界を見渡しても、ピンポイントの出演でこれほどのインパクトや好印象を残せる人はなかなかいません。これは芸能人としてのスキルというより、上戸さん本人の魅力によるところが大きいだけに、今後もいきなりオファーが減ることはないでしょう。
しかし、上戸さんは「もともと保育士になりたかった」「チャイルドケアライセンスを持っている」ほどの子ども好きだけに、子育て優先のスタンスを変えることはなさそうです。業界内での評価が高く、しかもスタッフや共演者から好かれるタイプであることも含め、2021年もピンポイントでの活躍が見られるのではないでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。