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昭和の紅白歌合戦「デビュー年の出場は無理」の掟があった

左から合田さん、田中さん、堀尾さん

紅白出場歌手の選考基準とは? 左から合田さん、田中さん(PC画面)、堀尾さん

 今年で71回目を迎える『NHK紅白歌合戦』。まさかの無観客となるが、その異例の放送をより楽しむために、紅白での司会経験もある元NHKアナウンサーの堀尾正明さん、紅白ウオッチャーで昭和歌謡ライターの田中稲さん、紅白歌合戦研究家で作家・音楽プロデューサーの合田道人さんの3人が集まり、紅白についてあれこれと話し合った。

──コロナ禍の影響で初の無観客開催となる2020年の紅白で注目する点は?

堀尾:制作側のぼくとしては、客席は無観客ですが、ステージ上が密にならないのか、すごく気になります。

田中:例年ステージ上では歌っている人の背後に人が並んでいて、かなり密ですよね。その中で「あの人、緊張してる」「退屈そう」という人を見つけるのが、私は楽しみだったりしますが(笑い)。

 きつきつの台本の中で、白組司会者の大泉洋さんがどれだけ自由奔放さを発揮するかに注目しています。それに、個人的には演歌の山内惠介さん。毎回演出が華やかでオシャレ。楽しみです。

合田:どんな演出になるか、ぼくは皆目わからない。だからこそ楽しみでたまらない。

──2020年はメジャーデビュー前に曲がヒットしたNiziUが、紅白に選ばれたことが話題です。

堀尾:実は、紅白出場歌手の選考基準は、時代ごとに変わっています。おそらくCDの実売状況にこだわらず、ネット配信や動画再生数、流行語大賞へのノミネートなどの要素を考慮した結果でしょう。

合田:まさに時代ですよね。昔ならありえない。以前は紅白出場歌手の出演交渉は、必ずレコード会社を窓口にして行うのが大原則でしたからね。これは、ある人から聞いた話ですが、かつては「デビューしたその年は紅白への出場はほぼ無理。たとえヒット曲があっても90%出場できない」といわれたそうです。それほど遠いものだった。

 なぜなら、当時はテレビの普及などの問題もあって、デビューしてヒット曲に恵まれても、翌年は地方を回り、顔が売れてきてからようやく出場できる、というのが普通だったんです。郷ひろみも森昌子も三善英史もみな2年目だった。だから、三善英史は大ヒットした『雨』では紅白に出ていないんです。

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