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女子大生ウーバー配達員 男性客に「スクショした」と言われて

フードデリバリー「ウーバーイーツ」の看板(時事通信フォト)

フードデリバリー「ウーバーイーツ」の看板(時事通信フォト)

 この数年、景気は回復したと言われ続けたが、こと雇用に関しては信用ならないのが実情だった。2013年1月に比べて2020年1月の正規労働者は173万人増えたが、非正規労働者はさらに322万人も増加。雇用の調整弁として、あらかじめ用意された存在が増えていただけだった。新型コロナウイルスの感染拡大によって、さっそく調整されてしまった非正規労働者から、少なくない人たちがフードデリバリーの配達員に転じ、街角で大小様々な軋轢も生じさせている。俳人で著作家の日野百草氏が、雇用調整の波に巻き込まれウーバー配達員をしている女子学生についてレポートする。

 * * *
「もしかしてウーバーの取材ですか」

 年末の都内ファストフード店前、珍しく若い女性のウーバー配達員(配達パートナー)がいたので声をかけてみたらこの反応。

「地蔵はしてませんよ? 寒いし」

 何もかも見透かされてしまった。それにしても今日はとくに寒い。女性はマヨさん(仮名・20代)、おしゃれな20インチのミニベロだがウーバーの配達に使うには大変そうだ。

「うちのアパート駐輪場がいっぱいだし盗難怖いんで、部屋に入れるとなるとこれが限界なんですよー」

 語尾を伸ばして気さくに明るく笑うマヨさん、防寒で着膨れてモッコモコな上に大きなウーバーの箱を背負っている。もしかして最近始めたのでは?
 
「そうなんですよー、でもだめです。稼ぐ人はすごいと思います」

 良くも悪くも都会の風景として定着したウーバー配達員、筆者の見る限り、女性の配達員はとても少ない。

「お地蔵さんって言えば、警察がお地蔵さんたちに聞いてまわってましたよ、揉めてる人もいました」

 警察の地蔵狩りだろう。10月ごろから筆者も見かけているし、大規模なものは池袋であった。店舗前の路上で配達のリクエストが鳴るまでじっと待つ配達員、通称「ウーバー地蔵」に職務質問をして、ときには身分証の提示などを求めている。もっとも警察は地蔵だから逮捕するわけではない。目的は外国人不法滞在者のあぶり出しだ。

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